「復興を実感」0.7ポイント減 岩手県沿岸部、過去10年で初の低下

 

 岩手県は、東日本大震災に関する2023年県民意識調査の結果をまとめ、復興が「進んでいる・やや進んでいる」とした沿岸部の割合は67.0%(前年比0.7ポイント減)で過去10年で初めて減少に転じた。14年以降は上昇が続いていたが、長引く新型コロナウイルス禍や物価高騰が復興の実感に影響を与えたとみられる。

 県全体の「進んでいる」「やや進んでいる」の割合は、前年と同じ61.1%。「遅れている」「やや遅れている」の割合は、県全体が12.3%(同1.0ポイント減)、沿岸部が8.9%(同3.5ポイント減)。「どちらとも言えない」との回答がともに若干増えた。

 現在の生活で震災の影響を「受けている」「やや受けている」の割合は、被害の大きかった沿岸南部が38.8%(同1.2ポイント増)と大きい傾向にあり、県全体の16.4%(同1.6ポイント増)と開きがあった。なりわいの再生や心のケアなどが影響しているとみられる。

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