南島原・原城跡沖に「白洲」出現 世界で数カ所しか見られない貴重な景色 春から夏の最干潮時

白洲で磯遊びするツアー客=南島原市、原城跡沖

 世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産の一つ、原城跡(長崎県南島原市南有馬町)から約300~700メートル沖合に、サンゴのように硬い石灰藻(リソサムニューム)が集まってできた浅瀬「白洲(しらす)」が海面に現れている。
 リソサムニュームは海水中の石灰分を固定しながら育つサンゴ藻で、死ぬと白化する。地元では「白洲の真砂」と呼ばれている。普段は約7メートルの海底にあるが、春から初夏の大潮最干潮時にその一部が浅瀬となって出現。海上に現れた群生が見られるのは、インド洋やイギリスの海岸など世界で数カ所という。 地元の漁船組合が上陸ツアーを実施。「好天の日は団体客ら約30人が訪れて満席となる」(船長)が、6日は小雨が降る中、最少人数の4人で出港した。到着後、白洲が海に沈む間の20分間、遠浅の海に手足を入れたりイイダコを探したり、思い思いに楽しんだ。

サンゴのように硬い石灰藻「リソサムニューム」

 海の真ん中にぽっかりと浮かぶ不思議な光景に、同市有家町の自営業、隈部エリ子さん(63)は「近くにこんな珍しいものがあるなんて。まさに灯台下暗し」と感激した面持ちだった。

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