火山噴火の観測、研究を一元化 推進本部を新設、人材育成

気象庁の常時観測火山

 火山噴火対策の強化を目的とした改正活動火山対策特別措置法(活火山法)が14日、参院本会議で全会一致で可決、成立した。火山の観測や調査研究を一元的に担う「火山調査研究推進本部」の新設と専門人材の育成、確保が柱。58人が死亡、5人が行方不明となった2014年の御嶽山(長野、岐阜両県)噴火などを踏まえ、体制を強化する。

 日本は111の活火山がある「火山大国」で、このうち50火山を24時間体制で監視している。ただ、観測や調査研究を気象庁や大学、研究所がそれぞれで進めており、連携不足が指摘されていた。国立大学の法人化に伴う予算削減などが響き、専門家不足も深刻だ。

 改正法では、文部科学省内に設置する推進本部が司令塔として総合的な調査観測計画を策定し、関係機関の調査研究予算の調整も担う。国と自治体に対し、人材の育成と継続的な確保に努めることも求めている。

 また、1911年8月26日に国内初の火山観測所が浅間山に設置されたことにちなみ、8月26日を「火山防災の日」に定めるとした。

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