光星学院(青森県)、野辺地西高の光星高統合を検討 入学者減、校舎老朽化理由に

八戸学院光星高校への統合が検討されている八戸学院野辺地西高校=野辺地町

 学校法人光星学院(青森県八戸市)が、八戸学院野辺地西高校(野辺地町)を八戸学院光星高校(同市)に統合する計画案を検討していることが13日、複数の関係者への取材で分かった。少子化に伴う入学者数の減少や、校舎が老朽化し今後多額の改修費が必要になることなどが理由。両校は同法人が運営しており、野辺地西高は上北・下北地域で唯一の私立高校。同法人は、保護者らの意見を踏まえて検討を進めていくとみられる。

 関係者によると、同法人は5月の理事会で統合の方向性を固めた。6月12日夜に野辺地西高で保護者数十人に計画案を説明した。統合を検討する主な理由は▽入学者数の減少▽校舎の老朽化▽野辺地町出身者が少なくなっている▽教員の配置が困難-の4点。今年の1年生は47人で、ここ数年の半数程度だったという。

 出席者によると、説明会は約2時間半に及んだ。法人側は▽2024年度新入生の募集を行わない▽25年4月に野辺地西高の名称を残しつつ、光星高の敷地内に移転▽26年4月に統合-との計画案を示した。出席者からは「計画案通りに統合が進めば現1年生が3年生になった時、光星高のある八戸市まで通う必要がある」などと反発する意見が相次いだという。

 ある保護者の男性は「今の新入生たちは統合のことを全く知らずに入学した。納得できない」と、取材に語った。

 一方、法人の担当者は13日の取材に対し、統合の検討を認めた上で「12日に説明した内容や実施時期は確定的なものではない」と述べた。7月上旬に2度目の説明会を開く予定だとし「保護者の意見を尊重して具体案を再検討し、次回の説明会であらためて提案したい」と話した。

 八戸学院野辺地西高は、1973年、むつ小川原開発をにらみ、中堅技術者の育成を目的に光星学院野辺地工業高として創設された。97年に総合学科を開設して光星学院野辺地西高になり、2013年に現在の名称となった。本年度は創立50周年。サッカー部は全国高校選手権県大会で6年連続で準優勝。昨年も王者青森山田高にあと一歩まで迫るなど、強豪校として知られている。

 県内の私立高校で姿を消したのは、1963年開設の旧南部町の東洋大学付属南部高校が、77年に閉校したのが最後となっている。

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