陸奥湾産ホタテ半成貝、過去2番目高値 1キロ235円で最終入札終了

平内町の土屋漁港に水揚げされたホタテ=7日

 県産養殖ホタテガイの2023年度半成貝(1年貝)の第5回(最終)入札が13日、青森市の県水産ビルで行われ、1キロ当たりの落札価格は225~235円、全体の平均価格は235円となった。最終入札の平均価格としては、国内最大産地である北海道の減産で価格が高騰した17年度(242円)に次ぐ過去2番目の価格で入札を終えた。例年に比べ、陸奥湾全体の半成貝の量が少ないことが影響した。

 5月26日に行われた第4回の平均価格(221円)から14円上がった。今回の入札では、陸奥湾周辺の19漁協・支所が14~30日に水揚げする予定のホタテ約6110トンが取引され、県内の加工業者17社が落札した。県漁連は本年度、減産を見据え3万6千トンの水揚げを計画。12日時点の水揚げ実績は2万6536トンとなっている。本年度最初の入札は178円と、初回としては過去最高値でスタートし、5~24円の価格幅で上昇してきた。陸奥湾では近年、稚貝不足などでホタテが減産傾向にあり、今年も全体の半成貝の数が少ないことから、業者が品物を確保しようと取り合う状況が続いている。

 県内有数のホタテ水揚げ量を誇る平内町漁協の三津谷廣明組合長は「良い値段が付くのはありがたいが、加工業者は工場を稼働させるために品物を買っている状況」と案じ、「このままでは将来、陸奥湾からホタテがいなくなる。漁業者には親貝作りをしてもらいたい」と呼びかけた。

 7月からは主に冷凍貝柱向けに出荷されるホタテの新貝の水揚げも始まる。新貝は半成貝よりも手間やコストがかかることから、県漁連ほたて課の齊藤英司課長は「(高値で推移した)半成貝の入札結果は少なからず新貝価格にも影響するだろう」と話した。

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