メジャーに強いブルックス・ケプカのブレない心

雑念を振り払い、メジャーだけに集中する(撮影/中野義昌)

◇メジャー第3戦◇全米オープン 事前(13日)◇ロサンゼルスCC(カリフォルニア州)◇7423yd(パー70)

LIVゴルフのプレーヤーとして、今季メジャー第2戦「全米プロゴルフ選手権」(ニューヨーク州オークヒルCC)で初のメジャータイトルを手にしたブルックス・ケプカは、メジャー2連勝での大会3勝目に挑む。

米ツアー9勝中、メジャー5勝と大舞台で強さを発揮してきたが、2019年秋に左膝を痛めて手術をした影響で3年前の今大会は欠場。21年「ウェイストマネジメント フェニックス」で復活優勝を果たしながらも、その後再び右膝手術を受けた。

故障との苦闘は長く続き、痛みが癒えてきたことを実感したのは昨年12月頃。昨年の今大会も万全ではなかったようで、ようやく「新しい自分になった気がする」という。早期復帰への焦りが痛みを長引かせたとようで「当時に戻れたら、もっと休みは取ると思う。一年は休んでいたかもしれない。僕はまだ33歳。まだまだ時間がある。健康でいることを続けていくだけだ」と振り返った。

断絶状態にあったPGAツアー(米ツアー)DPワールドツアー(欧州ツアー)とLIVゴルフの“和解”が発表されたが、それについての関心は示さず「正直なところ、あまり気にしていない。年4回あるうちの1つのメジャーに備えていただけ。起こったニュースについて時間を無駄にするつもりはない」と話すにとどめた。

LIVに移籍した選手がPGAツアーに復帰できるかなど、和解についての詳細は依然不確かな情報が多い。ケプカは「雑念が増えても必要なことに集中するだけ」という。「結局のところ、周囲の人が知るのはジャック(・ニクラス)やタイガー(・ウッズ)が何回メジャーを獲ったか。何試合を勝ったのかではなく、いくつのメジャーで勝ったのかだと思う」。メジャータイトルこそが強者の証明。その“ブレない心”で、6つ目の勲章を掴みに行く。(カリフォルニア州ロサンゼルス/石井操)

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