大手損保、意に沿わぬ転勤見直し 家庭の事情配慮、旧来から脱却

大手損害保険各社の転勤制度見直し

 社員に意に沿わない転勤を強いることがないように、勤務制度を見直す動きが大手損害保険各社に広がっている。全国に営業拠点がある損保業界では、各地への転勤が当たり前だったが、こうした旧来の働き方から脱却し、望まない離職を防ぐ。2024年に入社する新卒の採用活動でも、本人や家庭の事情に配慮した人事を学生にアピールし、優秀な人材の獲得につなげたい考えだ。

 あいおいニッセイ同和損害保険は24年度から、引っ越しを伴う転勤の可否を毎年度、社員が選択できるようにする。具体的には、全国転勤が可能な「全域型」と、転勤のない「地域型」に分かれている職種区分を統合し、社員が「転居を伴う異動あり」か「転居を伴う異動なし」のどちらかを選べるようにする。

 職種を「地域型」から「全域型」に変更するには、面接や適性検査をパスする必要があったが、統合を機に廃止し、「異動なし」から「異動あり」へも簡単に移れるようにする。転勤できるかどうかと仕事の能力は関係ないと判断した。

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