候補生、52歳の教官狙ったか 3人死傷の陸自小銃発射事件

自衛官候補生が小銃を発射した陸上自衛隊日野基本射撃場に集まる自衛隊員ら=14日午後0時34分、岐阜市

 岐阜市にある陸上自衛隊射撃場で男性隊員3人が自動小銃で撃たれ、2人が死亡、1人がけがを負った事件で、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された自衛官候補生の男(18)が訓練中に、死亡した隊員(25)を狙ったわけではなく、発射を妨げようとしたから撃ったという趣旨の供述をしていることが14日、捜査関係者への取材で分かった。25歳の隊員への殺意は否定しており、岐阜県警と陸自中部方面警務隊は死亡した52歳の教官が標的だった疑いもあるとみて、合同でトラブルの有無や当時の状況を調べる。

 陸自によると、死亡した52歳隊員が胸部、25歳隊員が脇腹をそれぞれ負傷していた。もう1人は左脚にけがを負った。

 陸自トップの森下泰臣陸上幕僚長は14日、防衛省で記者会見し「武器を扱う組織としてあってはならない。非常に重く受け止めている」と述べて謝罪した。死亡した隊員の氏名などは明らかにしなかった。

 森下氏は射撃訓練の中止と安全管理の徹底などを全国の部隊に指示した上で、原因究明と再発防止に向け調査委員会を立ち上げる考えも示した。

記者会見で謝罪する陸上自衛隊の森下泰臣陸上幕僚長=14日午後、防衛省
取材に応じる浜田防衛相(中央)=14日午後、防衛省
2015年当時の陸上自衛隊日野基本射撃場の施設内部(東海防衛支局ホームページより)

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