梅雨時の息災祈る 世界遺産・熊野那智大社で「紫陽花祭」

熊野那智大社の紫陽花祭で舞を奉納する巫女(14日、和歌山県那智勝浦町で)

 和歌山県那智勝浦町那智山の世界遺産・熊野那智大社で14日、梅雨時期の無病息災を祈り、自然の恵みに感謝する「紫陽花(あじさい)祭」が営まれた。境内ではアジサイがちょうど見頃を迎えており、しっとりと雨にぬれた花を多くの参拝者がめでていた。

 この日の祭典では拝殿にアジサイの花が供えられ、男成洋三宮司(69)が祝詞を奏上。アジサイのかんざしを着けた2人の巫女(みこ)が、アジサイの小枝を持って神楽「豊栄舞」を奉納した。男成宮司は「皆さんの健康や幸せとともに、災害が多くなっており、梅雨時なので水の災害がないようにということも祈った」と話した。

 那智大社によると、境内や周辺ではガクアジサイやヤマアジサイなど十数種の計約2千株が自生し、梅雨時期の那智山を彩っている。旧宮司職舎前にある「あじさい園」も6月末まで一般開放している。

 問い合わせは熊野那智大社(0735.55.0321)へ。

熊野那智大社の境内で見頃を迎えているアジサイ(14日、和歌山県那智勝浦町で)

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