【新日本】永田裕志が語る新日本・全日本の違い、三冠王者として今後の目標、そして同世代へ向けてメッセージ

新日本プロレスの永田裕志が6月18日、自身がプロデュースする「永田裕志Produce Blue Justice Ⅻ ~青義回帰~」千葉・佐倉市市民体育館大会について、プロレスTODAYが独占インタビューを実施。

現在、全日本プロレスの三冠王者として自身が大会をプロデュースする佐倉市民体育館大会の見所と意気込みを伺った。

そして改めてメジャー王座グランドスラム達成の感想や、自身を奮い立たせるもの、現在参戦する全日本プロレスやプロレスリング・ノアと新日本プロレスの違い、三冠王者として今後の目標、また同世代の方に向けてメッセージなど、多岐に渡る質問を行った。

前後編でお届けする独占インタビュー、今回は後編を掲載。

▼前編はこちら
【新日本】永田裕志が6.18千葉・佐倉大会をプロデュース!三冠王者としての重責や現在の心境を激白!!

①自身を奮い立たせるもの

――もうプロレス界のあらゆるものを獲ってしまったというイメージがありますが、ここまで自分を奮い立たせているものはどういったものなんでしょうか?

一昔前までは、異種格闘技戦で傷を負った永田裕志ですが「されど永田、腐っても永田裕志」というのを世界に見せたいっていう思いもあったんですけどね。今はそういうものよりも、むしろ自分の闘う姿を自分の遺伝子を受け継いでいる息子に見せたいというのがすごくありますね。

――なるほど。お子さんもレスリングで頑張ってらっしゃいますもんね。

いや本当にプロレスラーになりたい、レスリング強くなりたいって。最近は何か別の格闘技にも興味持ったりしてますけどね。

――父親の影響を相当受け継いでますね。

本当にこっちが頭が下がるくらい、レスリングなり勉強なり一所懸命やってくれてますね。中学生でね、そんなに勝ち星はないんですけど、それでも気づくと体が大きくなり、力が強くなってレスリングも強くなってるっていうのはそばにいて分かりますね。本当に成長が楽しいというか、息子からこっちが活力をもらうというか、まだまだ頑張ろうと。

――お子さんに三冠ベルト見せてあげた時の反応はいかがでした?

うーん、どうですかね。表立っては見せないですけど、周りの友達からは言われてるんじゃないですかね。

――でも、お父さんがそういう偉業を達成したということは

そう思ってくれれば嬉しいですね。褒めても何も出てこないですけど(笑)

――(笑)。では今自分を奮い立たせてくれるのは息子さだと。

そうですね。ただやればできるっていう部分で、年齢を言い訳にせず。ガタが来るのは当然なんですけど、気持ちや自分の努力次第ではいくらでも体力を含めて体を磨き上げることができますし。

日本の後期高齢者定義がもう数年前から65以上が75以上に変わってる中で、人間はどんどん長生きになりますし、体もいつまでも若くいれるように上限がかなり上がってきてますよね。

――そうですね。

努力一筋ですよね。そういうものでどこまでいけるかなって、自分でちょっと楽しみにしてるところもあります。

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②現在参戦する全日本プロレスやプロレスリング・ノア、新日本プロレスの違い

――そして現在は全日本プロレスに参戦してますが、過去にはプロレスリング・ノアにも参戦されました。新日本プロレスを含めた3団体、永田選手が感じる違いはありますか?

プロレスリング・ノアに参戦したのはちょっと昔になるので、今のノアは分からないですけど…、全日本プロレスさんは体が大きい選手が多いですよね。だからダイレクトにヘビー級の闘いをしているなと思いますね。

新日本プロレスのヘビー級は見ていて、よくこんなことできるなっていう驚く部分はたくさんあるんですけど、やはりジュニアから上がってきた選手も多く、極端に大きい選手はいないので、割と空中とか空間を使った闘いが多いですよね。

その中でもオカダ選手は(身長が)190あるから、余裕を持ってと言ったら怒られちゃうけど、懐の深さを見せながら試合をしているのは印象的ですね。

――なるほど。全日本は、斉藤ブラザーズ、諏訪魔選手、石川選手など大型ファイターが揃ってます。

宮原くんだって、僕より全然大きいしね。背もあるし、厚みもしっかりついてるし、早いし、あと青柳(優馬)も大きいしね。あれだって186か7cmあったんじゃないかな。安齊だって190近くでしょ?安齊なんてまだ細いって言ってもやっぱりちょっとずつ肉ついてきましたよね。

――プロレスラーとしての見栄えがよくなってきましたよね。

ここ最近、タイトルマッチの対立構図があって面と向かってる写真を見るとね、あいつでかいですよ(笑)。だからやっぱ身長あるとすごいな、俺って小さいんだなって。

©新日本プロレス

――いやいや。その中でチャンピオンなんですから。でもやはり大きい分、消耗が激しいですかね。

そうですね、でもそれだけじゃなく動きも速いですもんね。それだけしっかりいいトレーニングができてる証拠ですよね。石川選手なんて、190cm以上で、130キロオーバーですから。動くし、受け身もうまいしでちょっとびっくりしましたね。

――3月の大田区大会では、三冠ベルトに挑戦した石川選手の重いエルボーを山ほど受けてましたよね。

好き放題やってくれましたよね。

――ああいう消耗戦といったような闘いを今でも受け入れるのは本当にすごいなと思います。試合後のダメージははかりしれないですが、リカバリーはどのようにされてるんですか?

リカバリーですか(笑)?もう試合後なんて何も考えちゃいないですよ。石川選手のときは、極論言っちゃうと、風車の理論ですよね。しっかり受け止めて、力をうまく逃がしながらしっかり受け止めて。そしてとどめを刺しに行くみたいな。

――よくカッピング(吸い玉)はされてますよね。

※永田選手Twitterより

よくしてますね。都内でもやれるとこありますし、よく岐阜にメンテナンス行くもんで、そこでやってもらったりして。

――あれはやるとすぐ効果があるものなんですか?

やはり血行がよくなりますよね。色が悪ければ悪いほど、よくないらしいです。血流が悪いところを引っ張る事でよくなるらしいです。

――永田選手がされているのを見て、興味はあるんですけどちょっと恐いなという気持ちもあって…。

都内にもやってるお店あるんで、体験してみてください。体がガチガチに硬直したときなんかいいんじゃないですかね、体軽くなりますよ。

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③三冠王者として今後の目標とは?

――すでに安齊選手の三冠戦が決定していますが、今後三冠王者としての目標はいかがですか?

次の大田区での安齊戦でもたくさんのお客様がご来場されると思います。そこで安齊の可能性と、永田裕志の底力を披露したうえで、防衛したいと思いますね。それをどんどん世間に広めたいですね。

――安齊勇馬選手はスーパールーキーという感じですけど、永田選手はデビュー戦の相手も努め、パートナーとしてもリングに上がりました。彼の成長過程はいかがですか?

昨日(6.11福島)やったんですよね、前哨戦。不思議だと思ったのは、安齊って王道の全日本プロレスなんですけど、僕とやったりヤングライオンとやったりしてるうちにもしかしたら王道よりも先に闘魂が植え付けられたんじゃないかなっていう…、そんな戦いぶりでした。

――なるほど。本人も重責を担っているという意識があるんでしょうね。

彼は、それにしっかりと立ち向かってますよね。体も少しずつ大きくなってきましたし、元の顔がいいから、去年はそこまででもなかったですけど、だんだん垢抜けてきましたよね。あれモテるでしょ、たぶん。

――安齊選手は相当モテますね。

インスタライブなんかもやってるみたいだけどね、いっちょ前に(笑)プロレスラーだから前に出たい気持ちはいいですよね。あとはもっと出ていくための実力をつけていけば…、でももうすぐだと思いますよ。

④同世代の方に向けてメッセージ

――団塊ジュニアの世代ともいわれる50代ですが、この世代で団体のトップである証のベルトを保持するということは、本当に同じ世代の方にとって勇気を与えたのではないかなと思います。体の衰えなども感じる世代ですが、同じ世代の方にメッセージをいただけますでしょうか。

生意気な言い方になっちゃうかもしれないですけど、知らず知らずのうち、今世の中の寿命も延びてますよね。生活様式とか、人が自分にお金をかけたり、自分の健康のためにいろいろやるようになってきたことが、少しずつ人間の寿命が延びることになったんじゃないかなと思います。

年だから諦めようと思ったら進歩がないのでね。昔猪木さんは、「人は歩みを止めたときに、そして挑戦をあきらめたときに年老いていくのだと思います」とをおっしゃってましたけど。何か自分がやりたいと思ったことに対して、年だから…とかそういう考えは捨てて、とりあえず物事を前向きにやってみる姿勢を持ち続ける。

自分の目標値まで行けなくても、その一歩手前までできる自分を見て、少しずつ牛歩のごとく一歩ずつ前進していくことが、可能性をより見いだせる方法かなと。自分のやりたいことを正直にやっていただきたいと思いますね。

――気持ちの部分が大事ということですね。永田選手はプロレスラーとしてだけでなく、経営者としての顔もお持ちです。この年齢でエネルギッシュに動かれてますし、本当に同世代の星だなと思います。

諸先輩方をたとえに出すわけじゃないですけど、武藤さんも58歳でチャンピオンになりましたしね。膝が辛かったということで、引退されましたけど、60までしっかり魅せれたし、プロレスは自分の努力次第で出来るという姿を見て、現実に何か突き付けられたときに、乗り越えられる一つのヒントになってくれたらなと思いますね。

プロレスって非日常ですけど、やってるのは同じ人間ですから。その努力している姿勢を見ていただければ。自分で限界を作らず頑張っていくということが、一番のメッセージですかね。

――本日は有難うございました。これからも大応援しております。

こちらこそ有難うございました。ゼァ!

インタビュアー:山口義徳(プロレスTODAY総監督)

■NEW JAPAN ROAD ~ Road to STRONG ~
<永田裕志Produce Blue Justice Ⅻ ~青義回帰~>

開催日時:2023年6月18日(日)14:30 開場/16:00開始
会場: 千葉・佐倉市市民体育館
チケット情報:
対戦カード:

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