支出を減らすだけでは効果は薄い。当たり前だけど忘れがちな「お金を増やす」ための3つの方法

「お金がなかなか貯まらない、増えない」と悩んでいる人は、一つの方法だけを試して、それがうまくいっていないだけのケースもあります。

実は「お金を増やす」ためには、大きく3つの方法があります。どれも、当たり前だけど忘れがちなことばかり。もし取り組んでいないものがあれば、試してみる価値大です。

「お金を増やす」ための3つの方法、ぜひチェックしてみてください。


1.「支出」を減らす

お金を増やそうと思ったときに、真っ先に取り組むのが「支出を減らす」ではないでしょうか。きっと誰もが、何度も取り組んだことがあるはずです。ところが、支出を減らす際には、大きく2つの問題が出てきます。

一つは、痛みを伴うこと。そもそも、お金は使いたくて使っているものですから、わざわざそれを減らすとなれば、我慢を強いられます。

「この外食をやめて、家にある食材でご飯をつくろうか…でも疲れているから料理をするのはつらいなあ」「この洋服いいけれど、先週も新しい洋服を買ったばかりだし、今月買いすぎかなあ」

生活の中では、そんな心の中の葛藤もあるかと思います。好きなもの、欲しいもの、必要なものであれば、それを削ろうと思うと、心理的には大きなダメージになります。そうならないためにも、削るとするならば、「固定費」や「そもそも不要な支出」から考えましょう。固定費は、スマホ代や保険料、サブスク代など、当たり前のように毎月出ているお金です。スマホキャリアの乗り換えなどによって少しでも下げられれば、特にその後の心理的ダメージを伴わずに、来月、再来月とずっと、支出を抑えられます。

「そもそも不要な支出」については、ここ1カ月くらいの支出をチェックして見つけましょう。ネットショッピングの履歴やPayPayやLINE Payなどの決済をしている方はその支払い履歴を眺めてみます。「やっぱりこれはいらなかった」というものがあれば、今後それを意識的に減らしていきたいですね。

しかし、「支出を減らす」には限界があります。それが、問題点の2つめです。

毎月の支出から、がんばって2、3万円減らせたとしても、さすがに10万円以上を減らすのは難しいものです。1カ月は可能でも、毎月減らすのは現実的ではありません。そのため、「支出を減らす」だけでは、お金を増やす効果は低いのです。

ぜひ、あとの2つもチェックしてみてください。

2. 「収入」を増やす

次に、お金を増やす方法として「収入を増やす」があげられます。

「そんな簡単に言われても…」と思うかもしれませんが、実はかなり重要なポイントです。

一部大手企業などでは、ここのところ給料アップのニュースが続いていますが、まだまだ給料アップを実感している人は多くないでしょう。しかし、「収入が増えない」とあきらめているままでは、何も変わりません。少しでも収入が増えるような方法を探ってみるのです。

例えば、同じ職種でも、会社の規模や業界が変われば、収入が月数万円アップするケースもよくあります。また、長い人生ですので、違う種類の仕事にチャレンジして、長い目で見て収入を上げるのも一つの方法です。「いきなり会社を辞めて、違う仕事への転職に挑戦!」という無謀なことをしましょうという意味ではなく、例えば資格取得をしてキャリアアップに備えたり、副業で少しずつ違う業種をのぞいてみたりと、時間をかけてキャリアチェンジと収入アップにつなげてみるのもよいでしょう。

転職しなくても、社内で実績を上げて昇給・昇格を目指すなど、何かしらトライすることで、収入アップの道は開けるはずです。仕事のやりがいもアップできれば、一石二鳥。苦手な仕事をイヤイヤするのではなく、やりたい仕事についても考えながら、同時進行で進めたいですね。

3. すでに持っている「自分の資産」を増やす

「自分の資産」を、そのまま眠らせている人も、意外と多いのでは? 資産をすべて銀行の普通預金に置いているままでは、今は超低金利でほとんど増えないので、もったいないことです。今月と来月の生活費(クレジットカードの支払い含め)として、手取り月収の2か月分程度は普通預金に置いておくとしても、それ以外は少しでも増やす方法を検討したいところです。

安定的にいくなら、ネット銀行の定期預金が選択肢です。そろそろボーナスシーズンで金利アップキャンペーンがあるネット銀行もあります。また、筆者もよく利用していますが、個人向け国債(変動10年)も、金利が高めで、今後金利があがればそれに応じて上がっていってくれるのでよい選択肢です。投資にも少しずつチャレンジするのも手です。初めての方は、超少額から投資を始めて慣れていくために、例えば、「つみたてNISA」で、月5000円や月1万円など積み立てで投資信託を買っていくのはいかがでしょうか。世界中の株式に投資するような「全世界」「インデックス」といった名前のついた投資信託を選べば、世界中の株に幅広く投資することができます。数カ月続けてみれば、投資信託の積み立てがどんなものか、わかってくると思います。

2024年からは新NISAがスタートするので、「つみたて投資枠」を使って投資信託の積立額をもう少し増やして、自分の資産アップを目指すのもよいでしょう。ただし、リスクがあるので、一時的に元本割れの可能性もあります。途中でやめずに、5年、10年と長く続けていくことで、長期でじっくりと増やすことを目指したいですね。

もし300万円や500万円などのまとまったお金がある場合は、いざというときの生活防衛資金として、手取り月収の半年~1年分くらいは、銀行の定期預金などに入れてとっておきましょう。それ以外のお金について、数万円ずつなど、時間をかけてNISAで投資信託を買っていくのも一案です。


今回お伝えした、「お金を増やす」ための3つの方法は、どちらも聞いたことがあるような、当たり前の話だと感じるかもしれません、しかし、3つともすべて実践できている人は、そう多くはありません。ぜひ3つとも、トライしてみていただけたらと思います。

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