喫茶店なのに名物は長崎ちゃんぽん!?蔦の生い茂るレンガ造りのレトロな喫茶店「長崎阿蘭陀珈琲館」【福岡市南区】

いつの時代でも「カフェ」という存在は人々をトリコにします。近年のSNS人気も相まって、おしゃれなカフェ巡りを楽しむ女性も多い中、にわかに脚光を浴びているのが「昭和レトロな喫茶店」。中年以上の方はノスタルジックを感じ、若者にとってはおしゃれなカフェにないレトロ感が斬新だと感じるんだそうです。そこで福岡に今なお現存する「昭和レトロ喫茶店」をピックアップしてご紹介していきたいと思います!

南区平和の高台に位置する、蔦の絡まるレンガ造りの洋館

今回ご紹介する「長崎阿蘭陀珈琲館」があるのは、中央区平尾から小高い丘を通って南区長住へと抜ける「平和桧原線」沿い。大きな看板が出ているのですぐ分かります。

最寄りの西鉄平尾駅からは結構遠いので、行くならバスか車が便利。バスなら西鉄バス「平和一丁目」停のすぐそば。車なら店舗前と隣に広い駐車場が完備されています。

こちらが「長崎阿蘭陀珈琲館」の外観。一面びっしりと蔦で覆い尽くされています。圧巻とはまさにこのこと!

店名もご覧のように蔦で大部分が覆われており、もはや判読することができないレベル。

外壁のレンガも同様に、ほぼ見えておりません。

まさに「森の中の洋館」といった雰囲気です。

緑に囲まれたエントランスを抜け、重厚なドアを開けて店内へと進んでみましょう。

創業43年。当時から変わらないレトロな西洋風の店内空間

この「長崎阿蘭陀珈琲館」が創業したのは1980年。今年で43年を迎えます。

創業者はかつて長崎で複数のカフェを手掛けていた方。その後、長崎の店舗を閉店させて福岡に移住。平和のこの小高い丘に故郷の長崎を感じたことで、この地に「長崎阿蘭陀珈琲館」をオープンさせたそうです。

その後、数人の手に渡ったのち、現在のオーナーで4代目になるとのこと。

店内は創業当時とほとんど変わっていないそうで、随所に創業者のこだわりが見え隠れしています。

特にテーブルや椅子などの家具は、英国のアンティーク物を採用。40年以上の時を経て、さらに良い味を醸し出しています。

こちらは小上がりの先にあるカーペット敷きのフロア。

備え付けられた暖炉や漆喰の壁、アンティークの帆船や天使のオブジェなどで構成された空間は、まるで昔のヨーロッパのリビングかような佇まい。

BGMにはクラシック音楽が流れ、より一層クラシカルな雰囲気を演出してくれています。

創業者は長崎出身とあって、オランダと交易していた時代を偲ばせるステンドグラスや絵画も飾られていますよ。

来店された際には、ぜひ店内のいろんな場所を見てまわるのも楽しいと思います。

噴水のある中庭と平尾霊園を一望できる最高のロケーション

店内の大きな窓から見えるのは緑あふれる中庭。

その真ん中にはレンガづくりの噴水があり、癒しのスペースになっています。

そして、長崎阿蘭陀珈琲館の最大の特徴なのが、高台からの眺望。

眼下に平尾霊園を見下ろすことができ、その先には西区方面の山々が見渡せるという抜群のロケーション。

さらに、窓は西向きなので、日が暮れるとサンセットを楽しむこともできるんです!

喫茶店だけど、看板メニューは「長崎ちゃんぽん」

創業当時からの看板メニューとして君臨し続けているのが「長崎ちゃんぽん」。

長崎出身の創業者のこだわりを現在も守り続けているんです。

写真の大サイズは1,598円。小サイズは1,198円。

大サイズは直径なんと25センチもの大きなお皿で提供され、ボリュームも満点!

ちゃんぽんのスープは、鶏・豚・野菜・和出汁などさまざまな食材を毎日長時間煮込んで作る長崎阿蘭陀珈琲館のオリジナル。

そこに野菜や豚肉など17種類の具材を合わせ、丁寧に仕上げられているんです。

こちらは具材のひとつ「うずらの卵の素揚げ」。

他にもつくね団子やホタテやエビなどの海鮮もふんだんに使用されているので、いろんな味が楽しめるのもポイントなのです。

サイフォン抽出のコーヒーと豊富なラインナップのデザートでくつろぎのひとときを

デザートメニューも「ミルクレープ」や「ガトーショコラ」といった8種類のケーキをはじめ、「フォンダンショコラ」「アップルパイ」「珈琲ゼリー」、さらに長崎らしい「カステラ」などにいたるまで豊富なラインナップ。

今回はオーナーおすすめの「フレンチトースト」をオーダーしてみました。

お値段は単品798円、コーヒーor紅茶のセットなら1,298円。ちなみに1,198円のお食事をオーダーされると200円引きになってお得です!

コーヒーはオリジナルブレンドをサイフォン抽出にて提供しています。代表的なコーヒー「出島ブレンド」は調和のとれた風味とコクがあるマイルドタイプ。

ちなみに、店内で提供している器やコーヒーカップは、有田焼の窯元「円左エ門窯」や「しん窯」のブランド「青花」を採用しています。

美しいカップで飲むコーヒーは、味もまた格別なのです!

フレンチトーストは口当たりが滑らかなソフトフランスパンを使い、バニラビーンズを使用した特製の卵液にしっかりと漬け込んだものを丁寧にじっくりと焼き上げています。

プレートにはバニラアイスやベリーが添えられているので、このように切り分けたフレンチトーストに乗せていただくと、美味しさも倍増なのです!

創業から43年になりますが、いまだに平日でも1日約100人、週末には1日約150人もの方が来店されており、特に最盛期のゴールデンウイークやお彼岸の時期(隣が平尾霊園ということもあり)にはなんと1日200人を超える日もあるんだとか!

昔から通う常連さんはもちろん、幼い頃に連れてきてもらった子供が大人になって懐かしんで来店したり、あるいは家族三世代ファミリーで来店するなど、様々な方の人生の1ページに刻まれている「長崎阿蘭陀珈琲館」。

これからも変わらぬ存在感で、平和エリア屈指の人気店であり続けて欲しいですね。

長崎阿蘭陀珈琲館

住所:福岡市南区平和2丁目16-3

営業時間:11:00 ~ 21:00(お食事は20:00O.S、喫茶は20:30O.S)

電話番号:092-521-5829

定休日:お正月のみ

公式サイト:http://left-bank.jp/oranda-c/index.html

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