「逃げてきた自分を変えたい」吃音の若者が接客に挑戦 『注文に時間がかかるカフェ』が香川・さぬき市に1日限定でオープン

話すときに言葉がなめらかに出てこない発話障害の一つ「吃音」。その当事者が店員を務めるカフェ、「注文に時間がかかるカフェ」が6月、さぬき市に1日限定でオープンしました。

「注文に時間がかかるカフェ」は、吃音当事者の呼び掛けがきっかけで2021年から全国で開かれていて、香川県では初めてです。

店員を務めたのは、吃音がある大学生と高校生の合わせて4人。全員が県外からの参加です。

(徳島県の大学生/岡崎由芽さん)
「大学生に入ってから(吃音が)ひどくなってしまって。吃音だからっていう理由で逃げてきた。その自分を変えたい」
「遮ったり推測して代わりに言ったりせずに、言い終わるまで待っていてください。緊張しているからどもっているわけではないので、ゆっくり話せばいいよとアドバイスしないでください」

注文を取る前に、吃音について配慮してほしいこと伝えます。また、席を回って吃音について話したり、吃音についてのクイズを出したりしました。

(注文に時間がかかるカフェ さぬき実行委員会/古市泰彦 会長)
「一番大変な目をするのは10代とか20代の方なんです。進学とか就職とかもありまして、本当はこんなことしたいけど、やっぱりやめようという人も多いので、そういう方をちょっとでも支援できたらいいなと思って」

(カフェを訪れた人は―)
「吃音の人たちはめっちゃ苦しんでいて、でもその吃音の人たちはみんなを幸せにしたいっていう気持ちを持っていて行動しているということが心に刺さった」
「相手に合わすというのが大事なんだということに改めて気づいた」

この日、カフェには吃音当事者たちが客としても訪れました。

(小学生は―)
「1人で発表する時とか、たまにもうダメかと思ってしまうけど、がんばろうという気持ちになるにはどうしたらいいですか」

(兵庫県の高校生/三井剛さん)
「1人で発表するときに……ということやな。私はどもってしまってもいいから、最後まで言い切るということをいつも目標にしています。最後まで言い切ったらそれがきっと自信になるんじゃないかな」

(高校生は―)
「保育園の年長くらいから吃音症を持っているので、自分も頑張りたいなという気持ちがある」

店員として参加した4人は、午後1時から4時間、約40人を接客しました。

(徳島県の大学生/岡崎由芽さん)
「最終的にすごく楽しんで、注文のところも受け付けのところもできたのですごくよかった。いろいろ挑戦したいこととかもできずにいたので、そういうことに積極的に挑戦できるような自信がちょっとだけついたので、そういうことをしていきたい」

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