曲げて、曲げて…つかんだモノ 馬場咲希の伸びしろはまだまだ

馬場咲希は2日目のガマンが実り決勝ラウンドへ(撮影/桂川洋一)

◇女子アマチュア◇日本女子アマチュア選手権 2日目(14日)◇秋田CC(秋田)◇6409yd(パー72)◇曇り

「最後は“意地”じゃないですけど…」。気概が十二分に伝わるフィニッシュに馬場咲希(代々木高3年)が安どした。ショットの不調からスコアを落として迎えた終盤2ホールで連続バーディ。ベアグラウンドからウェッジで転がしチップインさせた17番(パー3)に続き、最終18番(パー5)では残り75ydの3打目をピンそば50㎝にピタリとつけてみせた。

4オーバー57位という初日の出遅れから中盤はさらに後退する流れだった。折り返しの9番で左ラフからの2打目をグリーン奥にこぼしてボギー。4m以内のバーディチャンスを作っても、パットがちっとも決まらない。12番から2連続ボギーのあと、1Wショットを左に曲げた15番でこの日6つ目を叩いた。

ツアー競技とは違い、場内にリーダーボードが設置されていない。リアルタイムで把握できるのは自分と同伴競技者のスコアだけ。予選通過の可能性があるのか、ないのか分からないままプレーに没頭した。「なんかボギーばっかりだし…。カットラインも意識せず、自分のゴルフがヤバいと思って。(7月に)全米女子オープンもあるのに…」。復調のきっかけを必死に探りながら、「“80”くらい打っちゃう感じのショット」の出来で「73」でまとめた。

スケールの大きさは健在(撮影/桂川洋一)

海外遠征に出向いた春先から長らくショットが乱れがちで、この日は父・哲也さんと「しっかり踏み込んで下半身を使う」ことを約束してティオフした。日々の試行錯誤の道すがら、「最近、得意」と思えるものができたという。最終18番で披露した80yd前後のウェッジショットがまさにそれ。

「今までは結構ガツガツやっていて、ピンばかりを狙っていました。パー5も無理やり2オンを狙ったり。でも、(ティショットの)ミスが大げさになってきたんで、割り切って(2打目を)刻むことができるようになって…。狙えなくてしょうがない状況が多くなって、刻めるようになりました」。…なんというけがの功名。転んでもタダじゃ起きない。がっかりショットの連続が、結果的にプレーの引き出しを増やしてくれている。

首位とは9打差の通算4オーバー39位で予選を通過した。決勝ラウンドではキャディバッグを父に預ける。「この2日間は結構、自分で抱え込んでいた。あしたから親子で力を合わせて頑張ります!」。ロースコアへの望みも、もちろん捨てていない。(秋田市/桂川洋一)

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