スニーカーの『PONY』、昔はバリバリの“ユニサプライヤー”だったことを覚えているか

スニーカーで有名なアメリカのスポーツブランドPONY。

現在では比較的手ごろな価格で手に入るスポーツ“ファッション”ブランドというイメージだが、かつてはバリバリのスポーツサプライヤーだったことをご存知だろうか。

PONY(ブランド名はProduct of New Yorkの頭文字)は1972年にアメリカ・ニューヨークで創業したブランド。創設にはadidasも関わっていたといわれている。

70年代には様々な競技のサプライヤーとして活動。サッカーでは王様ペレがニューヨーク・コスモス時代にPONYのスパイクを履いていたことは、ペレのファンやマニアックなスパイク愛好家の間では有名だ。

同じく70年代には当時のイタリア代表FWパオロ・ロッシも契約し、PONYのスパイクを履いたユニ姿で写真を残している。

スパイクやスニーカーなどシューズブランドとしてのイメージが強いPONYだが、主に80年代・90年代はユニサプライヤーとしても有名だった。ここからは幾つかの印象深いユニフォームをご紹介しよう。

ドルトムント

ボルシア・ドルトムント 1983-84 PONY ホーム ユニフォーム

1975年から1990年までadidasのキットを着ていたドルトムントだが、実は83-84シーズンのみPONYと契約。この不自然な流れに両者の関係性が透けて見えるような気がする。

当時はレバークーゼンもPONYと契約していたため、ブンデスリーガで「PONY対決」が実現。なお、70年代や80年代はパリ・サンジェルマンやリヨンといったクラブともサプライヤー契約を結んでいた。

コヴェントリー

コヴェントリー・シティ 1994-96 PONY ホーム ユニフォーム

PONYは1990年にイギリスの企業に買収されると、サプライヤーエリアにも変化が生じる。それまでフランスやドイツ、あるいは中南米がメインだったが、90年代前半には英国中心に移行。イングランドのクラブにPONYのユニフォームが急増した。

コヴェントリーのこのユニはファンの間で人気が高い一着。シャツ全体の模様はよく見るとPONYのトレードマークのシェブロン(V字)だ。

ウェストハム

ウェストハム・ユナイテッド 1998-99 PONY ホーム ユニフォーム

イングランドを中心とした90年代英国におけるPONYのユニデザインは、正直なところ出来不出来が相当に激しい。

ウェストハムにしても、PONY最後となったこの97-99モデル(胸スポンサー入りは98-99のみ)は比較的人気の高い好デザインだが、それ以外はさほど評価は高くない。

トッテナム

トッテナム・ホットスパー 1997-99 PONY ホーム ユニフォーム

トッテナムは1994-95シーズンを最後にUmbroとの契約を終了し、95-96シーズンからPONYとタッグを組む。ラップオーバーのシンプルな襟を採用した97-99モデルは好デザインだった。

なお、98-99シーズンを最後にサプライヤーはadidasへ変更。胸スポンサー「Hewlett Packard」も同時に契約終了となった。

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PONYのユニサプライヤーとしての活動は98-99シーズンを最後に実質停止し、会社はその後アメリカの企業に売却。2001年に新生PONYとして再スタートを図っている。

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