神戸ルミナリエ、4年ぶり開催へ 年末商戦に配慮、1月案も浮上「震災が起きた時期がふさわしい」

光に彩られる「神戸ルミナリエ」会場=2019年12月6日、神戸市中央区

 阪神・淡路大震災の犠牲者を悼み、記憶を継承する光の祭典「神戸ルミナリエ」について、神戸市などでつくる組織委員会が4年ぶりに開催する方向で調整していることが14日、市などへの取材で分かった。新型コロナウイルス禍で2020年以降、中止が続いている。開催時期を従来の12月から1月に変える案も浮上しており、7月にも組織委で協議して正式決定する。

 ルミナリエは震災が発生した1995年に始まり、旧居留地の「光の回廊」や東遊園地の巨大作品などが冬の風物詩として定着。コロナ禍で中止となり、代わりに組織委は、光の装飾を分散配置する行事に切り替えていた。コロナの「5類」移行を踏まえ、市や関係団体が協議を始めている。

 市などによると、1月開催案が持ち上がった背景には、会場周辺の商店への配慮がある。開催期間中は交通規制があり、これまで年末商戦に影響を及ぼしてきたためだ。行事の趣旨からも、震災が起きた1月がふさわしいとの意見があり、東遊園地で毎年1月17日にある「1.17のつどい」後を検討しているという。

 ほかにも課題はある。開催経費約5億円のうち、行政の補助を除く企業協賛金と来場者らの寄付は減少傾向が続く。雑踏事故対策として「光の回廊」に代わり、メリケンパークなど各所に光の装飾を点在させる案もあるという。市などは震災30年の節目に向け、持続可能な在り方を検討する。

 「1.17のつどい」実行委員会の藤本真一委員長は「1月開催が本来あるべき形。ただ展示を縮小すれば人が来なくなる恐れがあり、慎重に判断してほしい」と話している。(金 旻革)

© 株式会社神戸新聞社