JR東グループが運営 東京の新アンテナ店

新たな県アンテナ店が入る予定の複合ビル=都内

  ●現店舗に引き続き 来年3月に八重洲移転

 来年3月、東京駅八重洲口近くの新築ビルに移転する県アンテナショップの運営事業者が14日までに、JR東日本のグループ会社「ジェイアール東日本企画」(東京)を代表とする共同事業体に決まった。同社は銀座2丁目にある現店舗の運営も2020年3月から受託し、コロナ収束後は売り上げを伸ばすなど実績を上げている。「新天地」でも、国内最大の交通事業者の強みを生かした情報発信や魅力的なイベント開催が期待される。

 新店舗の運営事業者はジェイアール東日本企画のほか、小売店、飲食店などを多数展開するJR東日本クロスステーション(東京)、駅や商業施設などの内装を手掛ける業界大手の丹青社(同)の共同事業体。県の公募に5共同事業体の応募があり、審査で選んだ。

 ジェイアール東日本企画が運営する現店舗「いしかわ百万石物語・江戸本店」はコロナ禍で2カ月の休業を余儀なくされるなど苦難が続いたが、行動制限が落ち着いた2022年度は、来店客数や売り上げがコロナ禍前に戻った。

 県側は新店舗で、東京駅などJR東管内の主要駅と連携した事業を想定している。同社の担当者は「コロナでできなかったイベントなど心残りもある。東京駅との近さ、グループの強みを生かして石川の魅力発信、誘客に取り組みたい」と意欲を語った。

 JR東日本クロスステーションはJR東管内の駅構内でコンビニや商業施設「エキュート」「グランスタ」など約1500店舗を展開している。丹青社は、大阪駅の商業施設「エキマルシェ大阪」など数多くの施設の内装を担当し、石川では県立歴史博物館の展示設計を手掛けた。

 新たな県アンテナ店は、柿本商会(金沢市)が手掛ける地下1階、地上12階の複合ビルの1階に入る。延べ床面積は350平方メートルで、現店舗の330平方メートルから広くなる上、現在の3フロアから1フロアに集約し、買い物利便性が向上する。

 ビルは8月に完成予定で、今後、店舗の内装設計を進め、北陸新幹線県内全線開業に合わせてオープンする計画だ。

 現店舗は14年10月にオープンし、県産品の販売や観光情報の発信を担った。20年3月にはリニューアルし、イベントスペースを拡充した。22年度末時点で累計約194万人が訪れ、18億円超を売り上げた。3フロアに分かれた使い勝手の悪さが指摘され、東京駅直結の大型複合商業施設「東京ミッドタウン八重洲」に隣接するビルに移転が決まった。

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