経産省元キャリア官僚「デートレイプドラッグ事件」被害女性への“性的暴行”認め法廷で謝罪

逮捕時や初公判では短髪だったが、この日は丸刈り頭になっていた(画:弁護士JP編集部)

複数の女性に睡眠薬を飲ませ、性的暴行を加えたとして5回逮捕された経産省元キャリア官僚・佐藤大被告(33)の2回目の裁判が東京地裁で14日に開かれ、被告は「被害者の方には本当に申し訳ありません。公訴事実について認めます」と謝罪した。

佐藤被告は5月15日の初公判で別の女性に対する性的暴行の容疑を認めた後、同日付で経産省を懲戒免職処分となっている。

「やばいやばい」うれしそうな顔で…

佐藤被告は複数の女性に対して睡眠作用のある薬物「ゾルピデム」を飲み物に混入させ、意識をもうろうとさせた上で性的暴行に及んだとして「準強制わいせつ」「準強制性交等」などの罪に問われている。

この日審理されたのは、昨年7月に知人女性Bさんへ加害した事件について。佐藤被告は自身の知人を含む3人で飲食しようとBさんを誘い出し、当日に知人が来られなくなったと言い2人で飲食した。Bさんが席を立った際、佐藤被告は飲み物に睡眠薬を混入したと見られる。

ちなみに佐藤被告は、今年5月の初公判(※)で審理された別の女性Aさんへの加害事件でも「知人が来られなくなった」と言って2人で飲食し、女性が席を立った隙に飲み物へ睡眠薬を混入する手口で性的暴行に及んでいる。

(※)キャリア官僚がなぜ...「デートレイプドラッグ」で“闇落ち” バーやネカフェで女性にわいせつ行為 https://www.ben54.jp/news/418

Bさんの証言によれば、退店の記憶もないほど意識がもうろうとしていたBさんは、佐藤被告が買ってきた500mlペットボトルの水を飲みながらフラフラしてつらい状況を伝えると、佐藤被告はうれしそうな顔で「やばいやばい」と言っていたそうだ。その後、佐藤被告は抵抗できない状態のBさんを徒歩3分ほどのビジネスホテルへ連れて行き、性交に及んだという。

被害女性に対する謝罪の言葉を述べた佐藤被告(画:弁護士JP編集部)

UCLA、慶大法学部、北京大学で学んだ“華麗なる学歴”

「FRIDAYデジタル」が4月14日に配信した記事によれば、佐藤被告はカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)や慶応大学法学部で勉学に励み、北京大学国際関係学院で外交学を専攻した高学歴の持ち主。経産省には2017年に入省し、5年目で課長補佐に抜てきされた“ホープ”だった。

輝かしい経歴を持つ彼は、なぜ“闇落ち”してしまったのだろうかーー。

逮捕時や初公判では短髪だった佐藤被告の髪型は、14日の裁判では丸刈り頭になっていた。罪を認め、償っていくという決意の表れなのだろうか。裁判中は目を閉じながら検察官の起訴状朗読に耳を傾け、眉間にシワができるほどに痛切な表情を浮かべていた。

余罪や動機などについては、今後の裁判で明らかになっていくだろう。

初公判と同様、上下グレーのスウェットに“便所サンダル”のようなものを履いていた(画:弁護士JP編集部)

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