陸自、今年の慰霊の日の「黎明之塔」参拝は個人判断 前年に「私的」巡り疑義

 沖縄に駐留する陸上自衛隊第15旅団の旅団長らが例年6月23日の慰霊の日に制服で黎明之塔を「参拝」している件で、同旅団広報渉外班は14日、琉球新報の取材に対し、旅団として今年の慰霊の日の参拝計画はなく「個人の判断であり把握しておらず、お答えしかねる」と述べた。

 塔は糸満市摩文仁の平和祈念公園内にあり、近くの壕で自決した日本軍第32軍の牛島満司令官、参謀長の長勇中将を弔うため、1952年に元部下が建立したとみられる。62年に「南方同胞援護会」の助成で現在の形に改修された。

 「参拝」は2004年から実施され、陸自側は「私的」なものとの見解を繰り返していたが、防衛省陸上幕僚監部が、部内で旅団長の「参拝」に関する報告文書を作成していたことが昨年6月に判明。同年の慰霊の日に、陸自の「参拝」は確認されなかった。

 (座波幸代)

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