高根沢町の女性監禁・傷害致死事件 被告の女に懲役8年求刑

 4年前(2019年)夫などと共謀して高根沢町の当時24歳の女性を監禁したうえ、暴行を加えて死亡させ遺体を宮城県内の山林に遺棄したとして、傷害致死などの罪に問われている女の裁判員裁判が14日、宇都宮地方裁判所で開かれ、検察は懲役8年を求刑、弁護側は執行猶予付きの判決を求め結審しました。

 傷害致死などの罪に問われているのは、住所不定・無職の海部春香被告(27)です。

 起訴状によりますと、春香被告は2019年の9月上旬から12月にかけて、夫の学被告と妹の髙木沙耶花被告と共謀して、高根沢町の田中早苗さん(当時24歳)を、さくら市内の自宅に監禁し殴る蹴るなどの暴行を加えて死亡させ、遺体を宮城県白石市の山林へ遺棄したとしています。

 14日の裁判で検察側は「3人は被害者を売春させる目的で監禁や暴行を行い、逃げ出さないようにしつけあげた」と共謀の関係にあると述べ、「学被告が主犯格だが春香被告も妻として主体的に動き、自らも暴行に加わった」と指摘しました。

 売春という非常識な動機に基づき、4カ月に及ぶ監禁と暴行を繰り返し残虐で悪質、被害者の絶望感は筆舌に尽くしがたいとし、懲役8年を求刑しました。

 一方、弁護側は「夫の学被告に日常的に脅しや暴力で支配され、従属的な立場だった」と述べました。

 「被害者が亡くなる1か月ほど前から入院し、暴行をやめるように学被告に話していた」と共謀の関係は解消されたと主張し、「入院する前まで加担していたが、死亡の責任を負うものではない」とし執行猶予付きの判決を求めました。

 春香被告は最終陳述で「被害者に申し訳ない、弱い心が招いた結果、どんな重い刑罰も受け入れてきちんと罪を償っていきたい」と述べました。

 判決は6月28日に言い渡されます。

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