大谷翔平 信頼する“相棒通訳”水原氏の年収1億超え!用心棒からメンタルサポートも務める“10刀流”

(写真:アフロ)

「水原さんはいまやエンゼルスの一員として本拠地のスタジアムには『We Love Ippei』のボードまで出現。MVI(最優秀通訳)の称号を得るなど、“頭の回転速度が大谷の投球くらい速い”と、チームからもファンからも愛されています」(在米スポーツライター)

6月10日(日本時間)、マリナーズ戦で二刀流出場すると、17号ホームランを打ち、活躍し続けるエンゼルスの大谷翔平選手(28)。いまや彼だけでなく、通訳・水原一平さん(38)の敏腕ぶりも現地で話題になっているという。

水原さんは北海道苫小牧市で生まれ、6歳でロサンゼルスに移住した。カリフォルニア大学リバーサイド校を卒業後、通訳の道へ。

「’12年に外国人選手の通訳を担当するため、日本ハムファイターズに入団。大谷選手とは同期でした。大谷選手のロッカーがその外国人選手の隣だった縁で、大谷選手と仲よくなったそうです。大谷選手のエンゼルス移籍に伴い、’17年末からともに米国に渡りました」(スポーツ紙記者)

水原さんは通訳のポリシーを、インタビューでこう語っている。

《そのまま訳すのか、ニュアンスを汲み取って伝えるのか、難しい選択を迫られることがあります。僕はニュアンス重視で、なるべく翔平に伝わりやすい言葉を選んで伝えているつもりです》(『Number』’18年10月25日号)

だが、水原さんの仕事はそれだけではない。元メジャーリーガー・岡島秀樹氏(47)は、かつて通訳パートナーでもあった水原さんに関して、こう語っていた。

《通訳業以外にまず求められるのは、ボディーガードの役割です。米国は銃社会ですし、土地によっては近寄らない方が良いエリアもある。そういう情報を把握していて、トラブルから守ってくれるのが通訳さんなんです》(『週刊文春』3月30日号)

前出の在米スポーツライターも言う。

「実際、昨夏の対マリナーズの試合で、先発投手から死球を受けた選手が激高。両軍ベンチから選手たちが飛び出し、殴り合いとなり両軍計8人が退場しました。大谷選手もベンチから飛び出たのですが、身長180センチ台半ばの水原氏が大谷選手の隣で乱闘に巻き込まれないよう体を張ってました。その姿にファンから“ショウヘイの最強ボディガード”“イッペイは英雄”と称賛の声が相次ぎました」

■「グルーピーをシャットアウトすることも大事」

米国全土の飲食店に詳しいことも大切だという。『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2023』の著者でスポーツライターの友成那智さんは言う。

「メジャーリーガーは全国各地を転戦するため、通訳さんは事前においしいお店を把握する必要があります。また、そうした店の近くにはグルーピー(有名人につきまとう女性)もいて、彼女らをシャットアウトすることも大事です」

水原さんは用心棒、グルメ情報収集以外にも、さまざまな職務を行っていた。

「野球経験はないのですが、試合前には大谷選手のキャッチボールの相手役をよく務めています。車の運転手をしたり、自主トレーニングのサポートをしたり、大谷選手や球団のための動画撮影カメラマン役もこなしています」(前出・在米スポーツライター)

また、審判の性格分析も重要だそう。岡島氏はインタビューで水原さんの技術をこう評価していた。

《日ごろからいろんな選手から話を聞いたり、審判の機嫌がよさそうなときには話しかけたりして、性格を把握するんです。そういうことを通訳さんがやってくれると、選手はプレーに集中できて、とてもありがたいんです》(『週刊文春』3月30日号)

“心理分析官”の職務もあるのだ。大谷がケガをしたときや、心身が不調なときも、水原さんはできる限り寄り添っていたという。

「コロナ禍で試合がなくなったときも練習場で一緒に練習していました。当時の水原さんは妻と愛犬と過ごす時間より、大谷選手との時間が長かったといいます。また、投手として試合でKOされた日は声をかけることなくベンチで横に座り、一緒に試合を見守り続けるんです」(前出・在米スポーツライター)

前出・友成さんは言う。

「こうした役割はメンタルサポーターといって、大リーグの球団は主力選手につけていることが多い。水原さんがその役を兼務していることになりますね」

■「通常の球団職員の年収は10万ドル(1390万円)」

また、試合後も水原さんは10番目となる最後の役割を担っていた。

「試合後は、焼き肉を食べに行ったり、一緒にゲームをしたり。水原さんは孤独になりがちな大谷選手の最高の友人でもあるのです」(前出・在米スポーツライター)

水原さんは昨年11月の『NHKスペシャル』で、こう語っていた。

「本当に投打ともに伸びしろしかないので、ホームランもいつか60本以上打つと思うんです。『60本打てるよ』と翔平に言うと『いやいやいや』と言われますけど(笑)」

常に大谷を鼓舞し続ける水原さん。“10刀流”の彼の年収はどれくらいなのだろうか。

「現在、球団職員の通訳として支払われる年収は通常10万ドル(1390万円)です。この数年の活躍で20万ドル(2780万円)ぐらいでしょうか」(前出・友成さん)

実は収入は、それだけではない。

「職員としての給料に加え、大谷選手は契約するエージェント・CAAの助言を受け、水原さんに年俸の1~2%相当の報酬を出す雇用契約を結んでいるといいます。年収は1億円以上になるでしょう」(在米コーディネーター)

そんな水原さんに、大谷も最大の感謝を示している。

「’19年には、大谷選手が企画&監修した水原さんの顔がプリントされたTシャツで、エンゼルスナインが練習していました。大谷選手も常々、お世話になった人を聞かれると『やっぱり一平さん!』と真っ先に答えています。

大谷選手は『遠征が多くて家にいられないことが多いんですから、なるべく家族と一緒に過ごしてくださいね』と水原さんに伝えています」(前出・在米スポーツライター)

大谷の卓越した成績だけでなく、こうしたこまやかな気遣いも、水原さんの“10刀流”奮闘の原動力になっているのだろう。

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