自然災害に普段から備え 3つのポイント

関東が梅雨入りし、台風も続けて発生するなど、大雨への警戒が必要な季節を迎えました。いつ発生するかわからない自然災害に対して、普段からどのように備えればいいのか。専門家に押さえておきたいポイントを聞きました。

6月に入り都内では、大雨による土砂災害が町田や大田区で発生しました。また、利島村で5月に震度5弱を観測するなど、今年に入ってから関東地方でも大きな地震が続いています。発生を予測できない自然災害にどう備えればいいのか。一級建築士の資格を持ち、災害に強い暮らし方を研究する松本さんに話を聞きました。まずはハザードマップで浸水の危険度を把握することが大前提だといいます。

松本さん:「浸水が3メートルから5メートルまで水に浸かるということは、2階の床にいても水に浸かってしまうよっていうことなんです。こういった地域ではとにかくこのエリアから逃げないといけない」

自宅が浸水の危険度が低い場合や地震発生後に建物の倒壊の恐れがない場合は、自宅にとどまる事も選択肢になってきます。人口の多い都内では避難所の受け入れ体制に限界があり、自治体から可能な場合は在宅避難を求めている現状も。

松本さんは、在宅避難を行うためには3つのポイントがあるといいます。

松本さん:「まず、エネルギーが確保できていないと在宅避難できない。2番目は食料と水があるかどうか。3番目はトイレが使えるかどうか。この3つなんですね」

エネルギーの確保については、地下に埋められているガスや水道に対して、圧倒的に発生しやすい停電への備えが重要だと指摘します。その対策として太陽光発電と蓄電池を挙げていて、停電時にも冷蔵庫で食料を保存したり、情報収集に欠かせないスマートフォンの充電もできるので、現在は設置に東京都の補助金も出るので検討してほしいと話します。

2つ目の食料の備蓄に関しては、常温保存可能な食料を保存するパントリーの設置が有効です。

松本さん:「あまり奥行きが深くなると、奥の物が何だったか分からなくなって非常に使いにくいので、最大でも30センチ程度」

パントリー設置の注意点として、在庫が分かりやすいように陳列すること。設置場所も、落下物でケガをしないように人が滞在しない場所を選ぶことを挙げていて、避難経路を塞がないようにするとよいそうです。

松本さん:「排水が無事で停電でトイレのボタン押しても動かないというときは、バケツで水を流し込む方法で流すことができます」

この方法は断水時には使えない場合もあるので、念のため、簡易トイレも家族の人数にあわせて用意しておくと安心だということです。

年々激甚化する自然災害。大切な家族や自分の命を守るため、普段から災害に強い暮らしを意識することが求められています。

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