栃木県のイチゴ販売額、過去最高の見込み 出荷量ともに連続日本一へ 23年産JA速報値

県産イチゴの生産販売動向

 2023年産(22年秋~23年春)のイチゴの出荷量と販売額で、栃木県の全国1位が確実視されることが14日、JA全農とちぎなどへの取材で分かった。県産の9割を占める全農とちぎ出荷分の5月末時点の速報値によると、出荷量は前年同期比2.6%増の2万920トン、販売額は0.8%増の266億3800万円で、いずれも本県に次ぐ産地・福岡県の速報値を大幅に上回った。本県の販売額は過去最高を更新する見込み。

 全農とちぎによると、天候不順の影響が少なく、生育や出荷がおおむね順調だった。「とちおとめ」より10アール当たりの収量(単収)が優れる「とちあいか」の栽培面積が拡大したことも主な要因とみられる。

 最新の集計(今月10日時点)では、出荷量が5月末よりさらに増えて2万1019トン、販売額も伸びて267億800万円となっている。出荷量は35年連続、販売額は29年連続で首位を維持する見通し。

 名称が決まってから3シーズン目を迎えたとちあいかは、5月末時点の出荷量が前年同期の2.6倍となる6603トン、販売額は2.5倍の84億1400万円と、いずれも大幅に増えた。

 一方、とちおとめは出荷量が20%減の1万3114トン、販売額は22%減の166億4500万円だった。

 栽培面積(22年11月時点)はとちおとめが20%減の297.2ヘクタールだったのに対し、とちあいかは約2.4倍の125.1ヘクタールに拡大した。とちあいかは病気に強い上、単収がとちおとめを3割ほど上回るとされ、とちあいかに転換する農家が増えている。

 「スカイベリー」は出荷量が10%減の1203トン、販売額は12%減の15億7800万円だった。

 福岡県のJA全農ふくれんによると、5月末時点の出荷量は3%減の9857トン、販売額は1%減の156億7700万円だった。

 本県や全農とちぎなどは、とちあいかの栽培面積の割合を27年産までに県全体の8割へ広げる目標を掲げる。21年に248億円だった産出額は32年に5割増の370億円へ増大を目指す。

2023年産イチゴの生産販売動向

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