石川遼「自分の現在地を知る」戦い 2年ぶりメジャーで描く攻略プラン

石川遼は開幕前日に18ホールをチェック。アウト9ホールはウェッジとパターの2本だけで確認した(撮影/中野義昌)

◇メジャー第3戦◇全米オープン 事前(14日)◇ロサンゼルスCC(カリフォルニア州)◇7423yd(パー70)

トーリーパインズ開催の2021年以来7度目の出場となる石川遼は、開幕前日に18ホールのコースチェックを行った。会場には月曜から入り、火曜はコースに出ず練習場で調整。この日は午前中に松山英樹と桂川有人とともにイン9ホールをプレーし、そのあとは体のコンディションに気を配ってウェッジとパターの2本だけを持ってアウト9ホールを歩いて回った。

「憧れていた」という念願のコースに足を踏み入れ、「しっかりと全米オープンの難しさを感じながら、気持ち的にはモチベーションもすごく高い」と闘志を燃やす。今年のセッティングについては「普段チャンスと思わないところが今週はチャンスになる。グリーンも綺麗なので、(通常は)10mのパットとか入れにいくような距離ではないけど、ラインによってはチャンスになる」と言葉にした。

石川遼いわく、“ニラ”のような草がグリーン周りに生い茂っている(撮影/中野義昌)

グリーン周りでは、米国特有のバミューダ芝に加えて「“ニラ”のように」(石川)生える草が待ち構え、様々な状況に応じたアプローチショットが求められそう。「もっと自分の家のそばの川の土手沿いとかに行って練習してくれば良かったな」とジョークを飛ばしつつ、狙った距離にどれだけ寄せられるかの勝負とにらむ。「今週だけの少ないデータですけど、この沈み具合でこの飛距離ロス、この浮き具合でも飛ばない…とか、たまって来ているのを駆使していくしかない」という。

“ワンオン”も狙える330ydと短いパー4の6番では、ピン位置によって攻め方を決めていく考えだ。「たぶん2回ぐらいは左サイドの一番狭いエリアにカップが切られると思うので、そこで一番ボギーの確率を少なくしてバーディを取れるか」。たとえ会心の1Wショットでグリーン近くまで飛ばしても、着地場所によっては不運が生まれる可能性もある。「そこにかけるよりは、いいショット打てばフェアウェイに行くし、4、5mにはつけられるという攻め方をしていければ」と慎重なプレーを心掛ける。

松山英樹との同伴プレーはコロナ禍に国内でラウンドを行って以来だという(撮影/中野義昌)

海外ツアーへの出場がなかったこの2年間を含め、スイング、クラブ調整、トレーニングを精力的に行い、改造に向けて取り組んできた。「ベストを尽くすことで自分の現在地を知ることができると思う」。次のステップに向けて、収穫と課題を見出す一戦としたい。(カリフォルニア州ロサンゼルス/石井操)

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