CO2を効率的に回収し利活用 デンソーと大成建設が共同検証実施へ

株式会社デンソー(以下、デンソー)と大成建設株式会社(以下、大成建設)は、デンソーが開発したCO

回収システムを用いてCO

を効率的に回収し、利活用する共同技術検証を9月より開始する。

同検証では、大成建設技術センター内にある「人と空間のラボ(ZEB実証棟)」の会議室の空調設備に、デンソー製のCO

回収システムを組み込む。同システムは、「電界式」と呼ばれるCO

回収技術を採用したものだ。電極に電気を流してCO

を吸着させ、その電圧を変えることで離脱させ回収する。

また、「電界式」には、デンソーが自動車部品製造で培った排気ガスに含まれる有害物質を除去・浄化するために開発した、触媒やセンサーなどの技術が生かされている。そして、高効率な回収とシステムの小型化を実現した。さらに、必要なCO

回収量によって設置台数を調整することができ、利用者のニーズに柔軟に対応することが可能だ。

くわえて、同システムの適用により、会議室使用時の排気からCO

を回収し、CO

濃度の低い空気を再度会議室内に給気。一方、会議室未使用時は、大気中のCO

を外気から回収する。回収したCO

は環境配慮コンクリート「T-eConcrete※」に固定する実験などに利用するという。なお、両社は、今後同検証による成果を踏まえ建物への実装を推進することで、共にカーボンニュートラル社会の実現に貢献していくと述べている。

※ セメント使用量を抑制し、通常コンクリートと同等の強度、施工性を保持してCO

排出量を削減する環境に配慮したコンクリート。セメントの代わりに使用する産業副産物などの配合により、建築基準法対応型、フライアッシュ活用型、セメント・ゼロ型およびCarbon-Recycleの4タイプがある(プレスリリースより)

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