インディ途中離脱のコナー・デイリー、DRR加入で新生ナイトロクロスに本格参入「刺激に満ちている」

 本格的なグローバル選手権への成長を目指した2022-23年の『ナイトロ・ラリークロス(NitroRX)』を経て、よりシリーズの理念を体現するカテゴリーへの脱皮を目指し、今季よりNitroRX改め『Nitrocross(ナイトロクロス)』へとリブランドしたチャンピオンシップに、新たなスタードライバーの参戦が決定した。

 直近にも北米最高峰シングルシーターであるNTTインディカー・シリーズを途中離脱したコナー・デイリーが、新たにドレイヤー&レインボールド・レーシング・ウィズ・JCレーステクニーク(DRR JC)に加入し、今月にも契約延長が発表されたフレイザー・マッコーネルとともに、チャンピオンチームの一員としてラリークロスへの本格参入を決めている。

 シリーズ創設者兼初代王者のトラビス・パストラーナの意向を受け「ラリークロスのルーツを超え、モータースポーツの他のどの分野にも類を見ない、独自に成長したダイナミックなカテゴリー」を目指すと宣言した同チャンピオンシップは、今週末の6月16~17日にオクラホマ州ジェイのミッドアメリカ・アウトドアで開催される『ビジョンズ・オフロード2023』にて、開幕のときを迎える。

 そんな新生シリーズを前に、2023年はエド・カーペンター・レーシング(ECR)とともにインディカーで過ごしてきたデイリーが電撃的な転身を表明し「このアドレナリンが刺激される激しいシリーズで、自分の能力を試すチャンスこそ僕が待ち望んでいたものだ」と、新たな分野への挑戦に意気込む。

「DRR JCに加入し、オクラホマで開催されるナイトロクロスのレースに出場できることに非常に興奮している。僕を信じて、この素晴らしい機会を提供してくれたチームに心から感謝しているよ」と続けたデイリー。

「FC1-Xのステアリングを握って、僕らが一緒に達成できることを披露するのが待ち切れない。また、このプログラムをまとめるために協力してくれたトラビス・パストラーナと、シリーズのオーガナイザーにも感謝したいと思う」

引き続き、最高峰クラス『Group E』には、昨季より最高出力1080PS(800kW)、0-100km/h加速約1.4秒というフル電動ワンメイクEV『FC1-X』が導入される
2023年はEd Carpenter Racing(ECR)とともにインディカーで過ごしてきたコナー・デイリー
新たにDreyer&Reinbold Racing with JC Raceteknik(DRR JC)に加入し、チャンピオンチームの一員としてラリークロスへの本格参入を決めた

■「チームが進化を続けるのに役立つ」とデイリーの加入を歓迎

 2016年のオフシーズンにロサンゼルスへ飛んだデイリーは、当時デイル・コイン・レーシングからインディカーに参戦していた関係で、ホンダの協力を得てこの分野の名門オルスバーグMSE製『ホンダ・シビッククーペRXスーパーカー』をテストしていた。しかし、そこから実戦出場の機会には恵まれず、自身はeスポーツ上の『iRacing』でラリークロスやオフロード戦にトライし、2021年には現実のNASCARカップシリーズで、パストラーナと同じくデイトナ500にも参戦した。

 今回、インディカーでキャリアを重ねてきたデイリーを迎えたチーム代表のデニス・レインボールドは、デイリーの多彩な経歴こそが現チャンピオンチームの前進を助け「組織として進化を続けるのに役立つ」と、電撃的なカテゴリースイッチを経ての契約締結を喜んだ。

「新たに生まれ変わるシリーズを前に、彼をドレイヤー&レインボールド・レーシングのファミリーに迎え入れることができて興奮している」と続けたレインボールド代表。

「すでに証明されているコナーの才能とレーシング・アビリティは、我々が彼をチームに加える決断を支え、かつ理想的なものとしている。彼のユニークなスキルが、このスリリングな分野での我々の成功に大きく貢献することに、なんら疑いの余地はないね」

 今週末、デイリーはオリバー・ベネット率いるXITEエナジー・レーシングのクリス・ミークや、前出のオルスバーグMSEから参戦する2012年PWRC王者のベニート・ゲラ、そしてケビン&オリバーのエリクソン兄弟や、引き続きバーモント・スポーツカー(VSC)からエントリーする盟主パストラーナやコナー・マテルら、経験豊富なライバルたちに相対することになる。

「開幕戦の地には驚くべき自然の標高差があり、既存の地形をさらに活用し、他では構築できない要素を取り入れて楽しくユニークなものにした」と、コース設計も担うパストラーナ
契約延長が発表されたフレイザー・マッコーネルとともに、経験豊富なライバルたちに相対することになる
「このアドレナリンが刺激される激しいシリーズで、自分の能力を試すチャンスこそ僕が待ち望んでいたものだ」とコナー・デイリー

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