「棚田カレー」じわり人気 山形県が考案、農水省食堂でも

昨年11月に県庁食堂でお披露目された「やまがたの棚田カレー」(山形県提供)

 白米で棚田をかたどり、水の代わりにカレーのルー。周りには彩り豊かな地元野菜を添えて―。山形県が考案した「やまがたの棚田カレー」が好評だ。県が作製した専用のライス型を使い、白米やルーを階段状に盛り付ければ簡単に棚田カレーの出来上がり。県庁食堂で昨年お披露目されたのを皮切りに、農林水産省の食堂でも提供され、じわりと人気が広がっている。

 ヒントは、ダムを模した形で話題になった「ダムカレー」だ。これを棚田に応用するため、同県朝日町の棚田を上空からドローンで撮影。3Dプリンターで形を再現し、盛り付け用のライス型を作った。

 型は県が飲食店などに無料で貸し出すが、県内の棚田で収穫されたコメを使うことが条件だ。メニュー名には「藤井の棚田カレー」(遊佐町)など、棚田の名前を冠することができる。

 美しい景観で知られる全国の棚田は、農業人口の減少や高齢化に伴い、荒廃の危機に直面している。県は、棚田に関心を持ってもらうことで、棚田米の消費拡大や棚田を維持する担い手の確保につなげたい考えだ。

ライス型のモデルになった山形県朝日町の棚田(同県提供)

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