汁なし担々麺発祥の店!本場四川省の味が楽しめる「きさく」|広島市中区

ピリッと舌を刺激する辛さと麺の喉越しがやみつきになる「汁なし担々麺」。今では広島のソウルフードとしても人気ですよね。

この汁なし担々麺を広島に初めて伝えたお店が、広島市中区舟入にあるのをご存じですか?

今回は、汁なし担々麺発祥のお店と言われている「きさく」にお邪魔してきました!おいしさの秘密と誕生秘話も伺ってきましたよ。

オーダーは食券で!おすすめ2品を実食

きさく・券売機

きさくの店内はカウンター15席のみとなっており、厨房がメインとなった店構えが印象的です。入店してすぐにある券売機で食券を購入してから着席します。

取材の日も常に汁なし担々麺を求めるお客さんが来店され、みなさん慣れた手つきで次々食券を買い求めていました。

支払いは現金のみなので、事前にお金を用意してから伺いましょう!

今回は、定番の汁なし担々麺にほとんどの人がトッピングするという、温玉を乗せた「汁なし担々麺 温玉入り」と「ピン担麺 温玉入り」の2種類をいただきます。

汁なし担々麺 温玉入り

汁なし担々麺 温玉入り 680円(税込)

きさくの汁なし担々麺は、ラー油や豆鼓醤(トウチジャン)でスパイシーに仕上げ、煮干し、昆布、鶏ガラでとったスープが少々入ります。

なお、食券を買うタイミングで辛味の度合いを調整できます。この時点で辛いのが苦手な人は半量に、得意な人は1.5倍になど、お好みで調整してくださいね。

今回は通常の量の辛味でいただきます!

混ぜれば混ぜるほどおいしくなるのが汁なし担々麺。食べる前にしっかり30回以上かき混ぜてくださいね。

実際に食べてみると、口に入れた瞬間ピリッとした刺激が広がりますが、濃厚なスープと魚介のうま味を含んでいるためイヤな辛さは一切ありません。

辛味の中には大粒の豆鼓(トウチ)の姿も見られました。この豆鼓がおいしくて、次々と口に運びたくなります。

今回は温玉をトッピングしたので、まろやかさと卵の甘みも感じられました。

なお、店主さんは、温玉も何もトッピングしないベーシックなものが好きだそうですよ。

ピン担麺 温玉入り

ピン担麺 温玉入り 680円(税込)

”ピン”とは中国語で”冷ます”という意味で、ピン担麺 温玉入りは「冷やし煮干汁なし担々麺」のことだそうです。

見た目は温かい通常の汁なし担々麺と変わりません。

実際に食べてみると、全体が冷えている分あとから来るピリッと感は控えめで、喉越しが良い気がします。

テーブルトッピングで味変可能

テーブルには鷹の爪が置かれているため、辛さが足りない人はお好みで追加できます。

スパイスの辛さとは違った刺激となるため、味の違いが楽しめますよ。

鷹の爪と合わせて黒酢もテーブルに置かれています。

取材の日は黒酢が空になっていた席もあり、おかわりするお客さんも見られました。

汁なし担々麺に入れると、酸味でさっぱりした味に変わります。少しの量で味が大きく変わるため、少しずつ調整しながら入れるのが良いとのこと。

実際に入れてみると、辛味がスッキリしたような気がします。

入れる前とかなり違った味わいになるため、味変を楽しみたい人におすすめです。

汁なし担々麺との出会いは巡り合わせ

広島の汁なし担々麺発祥の店と言われる「きさく」ですが、メニュー化までにはたくさんの苦労があったそうです。

汁なし担々麺完成までの道のりを店主の服部さんに伺いました。

知り合いの中国人を通して汁なし担々麺に出会う

元はラーメン屋だったきさくですが、うまくいかず閉店を考えたことがあったそうです。そのとき思い出したのが、以前お店を通して知り合った中国人留学生との出来事。

「近くに住んでいた中国人が汁なし担々麺を作る料理教室を開催していて、麺を提供したことがあるんです。そのお礼にと本場四川省の担々麺を食べたのですが、それがおいしくて!」と、服部さんは話します。

そのとき思い出したのも何かの縁。と思い、すぐに四川省に渡る決意をした服部さんは、当時すでに中国に帰っていた留学生に連絡をし、友人を紹介してもらったそうです。

「現地に住む中国人に本場汁なし担々麺のお店を数十件紹介してもらい、ひたすら食べ歩きをしました。現地の人しか行かないようなお店もあり面白かったですね」

現地で辛い汁なし担々麺を食べすぎたせいで帰りの飛行機でお腹を壊し、そのまま病院で点滴を打った思い出もあるとのこと。

その結果、本格的な汁なし担々麺が完成し、ラーメン屋から移行。今の「きさく」になっています。

ごまを使わないのは本場四川省の味だから

きさくのスープ

きさくの汁なし担々麺の特徴は、ごまを一切使用しない魚介スープにあります。

「ごまは日本人向けに加えられた材料です。私が行った限りでは四川省でごまを使った汁なし担々麺のお店はひとつもありませんでした」という言葉通り、魚介が濃いスープが印象的です。

ごまを使用するとどうしても和風に仕上がってしまうそうで、本場四川省の味を目指す服部さんはごまを使わないレシピにこだわりました。

写真の量のスープも1日でなくなるそうですよ!

きさくの基本情報とアクセス

きさく・外観

広電「舟入幸町」から徒歩約3分、市電沿いに「きさく」はあります。道路を挟んで向かい側にスシロー舟入店があるため、目印にするのがおすすめです。

●きさく

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今では広島県内でもたくさんの汁なし担々麺と出会えますが、きさくは、本場、中国四川省の味が楽しめる貴重なお店です。辛さだけでなく濃厚な出汁とうま味がやみつきになりますよ。

ぜひ一度、きさくの汁なし担々麺で中国の味を堪能してくださいね。

ライター/丸山希
※紹介している内容は2023年6月取材時点のものです。公開後内容が変更している可能性があります。

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