世界のムナカタ 授業で学ぶ/山田高生

棟方志功記念館で板画作品「花矢の柵」を鑑賞する生徒たち

 生誕120年を迎えた青森市出身の板画家棟方志功について学ぼうと、青森市の青森山田高校1年生が15日、特別授業で棟方志功記念館など市内のゆかりの地を訪ねた。生徒たちは作品や生前のビデオ映像などを鑑賞し、青森が生んだ「世界のムナカタ」に理解を深めた。

 特別授業は青森大学との連携企画の一環で、同高校普通科キャリアアップコースの14人が参加。同大社会学部長の清川繁人教授を講師に4月から講義と実地調査を進めており、弘前藩の忍者集団「早道之者」の家系と棟方家との関わりなど、独自の切り口で志功の生い立ちや人物像を学んできた。

 この日は、生徒たちが清川教授の解説を聞きながら、同館に展示されている「二菩薩釈迦十大弟子」「花矢の柵」などの板画作品や倭画(やまとが)、愛用品などを鑑賞。ビデオ映像で、故郷や板画への思いを熱く語る生前の志功の様子にも触れたほか、市中心部の生家跡地、よく訪れたという善知鳥神社などを巡った。

 参加した金澤優空(ゆいと)さん(15)は「(志功の)名前や作品は知っていたが、作品をじっくり鑑賞したのは初めて。仏様の表情やポーズなど描き方が独特で、印象に残った」と授業を振り返った。

 生徒たちは今後も調査を続け、学んだ内容を7月に発表する予定。

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