ふるさと納税 自治体間の競争が激化 宮城・石巻市が専門の部署を新設

全国各地の名産品を返礼品として受け取ることができるふるさと納税についてです。自治体の間で競争が激化していて、宮城県石巻市では専門の部署を設置し、看板商品の発掘に職員が奔走しています。

石巻市のふるさと納税推進課は、ふるさと納税を戦略的に推進するためにこの春、新設されました。

これまで石巻市では、代行会社に依頼し返礼品を選んできました。金華山沖で取れた海産物や牛タン、地酒などその数は400種類以上です。

新たに魅力ある返礼品を発掘するのが職員たちの役割で、企業訪問に汗を流しています。

課長の須田さんが訪れたのは、海産物や牛タンなどの商品をインターネットで販売している石巻市の食品卸問屋、十文字屋です。

こちらの会社は、楽天市場の通販部門で全国トップ3の表彰を受けるなど数多くの受賞歴があります。

須田さんは、販売のプロから返礼品発掘のヒントを得ようと協力を求めました。

石巻市ふるさと納税推進課須田恵美課長「楽天で人気の商品をたくさん出していらっしゃるので、eコマースサイトではプロ中のプロで、私たちが教えてもらうことの方が多いと思う」

十文字屋田岡大樹社長「当然、ふるさと納税がすごく盛り上がりを見せているというのは、ここ数年把握はいましたので」

ふるさと納税は、自分が好きな自治体へ寄付をして返礼品をもらうことができるほか、寄付額のうち2000円を超える分が住民税などから控除される仕組みです。

石巻市ふるさと納税推進課須田恵美課長「寄付金額を伸ばすためには、コスパの良い人気の返礼品を市として追加したい」

自社の商品が返礼品に選ばれれば、企業側にとって新たな販路拡大や商品のPRになります。

一方で、商品の安定供給や全国から求められる魅力ある商品開発などが課題です。

十文字屋田岡大樹社長「寄付なさる方が求めている返礼品はどういうものなのか。eコマースをやっている中で、ある程度得た知識があるので、そういった形で何か貢献できればと考えている」

石巻市のふるさと納税の寄付額は、2020年度は3億5000万円、2021年度は5億3000万円、2022年度は8億円と年々増加しています。

専門部署の設置により2023年度は10億円、2025年度には現在の約2倍の15億円を目指します。

石巻市ふるさと納税推進課須田恵美課長「財源確保だけでなくて、地域全体の事業者の協力なくしてはできない事業。石巻の魅力を全国の皆様に返礼品を通して伝えていければなと」

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