「水は命!」4年前の断水を経て… 離島へ届け!総事業費15億円の海底送水管工事

離島で暮らす人たちに“命の水”を届ける送水管。愛媛県宇和島市では、老朽化した海底の送水管を更新する工事が行われています。40年ぶりとなる大がかりな作業の現場にカメラが入りました。

ゆっくりと海に降ろされていく黒いパイプ。これは、離島に生活用水を届ける「海底送水管」と呼ばれるライフラインです。

この日、工事が行われていたのは、宇和島市の三浦半島の先端にある蒋淵(こもぶち)地区。沖合に浮かぶ戸島(とじま)から延ばしてきた送水管を陸地へとつなげる作業です。

戸島、そして、さらに北西に位置する嘉島との間にある海底送水管は、設置から40年以上が経過。4年前には送水管の破損事故で、島しょ部が約10日間断水となり、約650人の生活に影響を及ぼしました。そこで離島への安定的な水の供給のため、蒋淵-戸島間、戸島-嘉島間に新たな送水管を設置することになったのです。

5月中旬に戸島の沿岸からスタートした工事。太さ15センチほど、長さは約2700メートルにも及ぶ一本の長いポリエチレン製のパイプを、作業船から海の底へ少しずつ沈めてきました。

作業船は浅瀬に近づけないため、最後は小型船やダイバーたちを動員。戸島を起点にスタートしてから1週間、管はついに陸地へとつながりました。

今回の工事について、4年前の断水を経験した戸島の住民は。

島民
「電気が来ないより水がないことの方がつらい。4年前は水道のパイプが切れて大変だった。それが改善されたら最高。水は命!」
「水がないと生活できない。銭がなくても島では生きていけるけど水がなかったら生きていけない」

総事業費、約15億円をかけた今回のミッション。今後は、戸島と嘉島の間でも同様の工事が行われ、古い送水管はバックアップ用として残されるということです。新たな送水管は、今年9月ごろの稼働を見込んでいます。

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