「エムポックス」接種研究開始 HIV感染者らにワクチン

エムポックスウイルスの電子顕微鏡写真(国立感染症研究所提供)

 厚生労働省などは15日、「エムポックス(サル痘)」のワクチンを、男性同士の性的接触がある人やエイズウイルス(HIV)感染者らに接種する臨床研究を、国立国際医療研究センター(東京)で始めたと発表した。

 当面は同センターを受診している人などが参加できる。天然痘のために開発されたワクチンを使い、3100円の費用がかかる。エムポックス感染者に接触した人を対象にした別の臨床研究も進められている。

 今年に入り感染報告が増えており、厚労省によると、昨年からの感染者は今月4日時点で計175人。男女とも感染する恐れはあるが、男性同士の性的接触者らの間で感染が広がっていると指摘されている。

 エムポックスはサル痘と呼ばれていたが、世界保健機関(WHO)の決定を踏まえ、5月に名称が変わった。エムポックスウイルスが原因で、発熱や発疹などの症状が出る。

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