110番通報者 映像提供56件 岡山県警システム導入半年

スマートフォンで映像を送ってもらうシステムの画面(画像の一部を加工しています)

 昨年10月以降、試験運用を経て始まった110番通報者からの映像提供システムについて、岡山県警が4月末までの半年間で運用した件数は56件に上った。スマートフォンなどで撮影した現場のライブ映像からスムーズな対応につながった事案があり、県警は「今後も人命救助や捜査に積極的に役立てる」としている。

 システムは先行導入している兵庫県警を除き、警察庁が4月から全国の警察に正式導入。複数台が絡んだ交通事故や進行中の犯罪など言葉で説明しにくい通報の際、アクセスしてもらう。

 県警通信指令課によると、56件のうち事故や渋滞情報などの交通関係33件、家出や迷子の保護関係7件、誘拐疑いといった刑法犯3件など。本格運用後の4月は通報者に積極的にアクセスを促し、34件の利用があった。

 同月初旬には「用水路に車が落ちている」と通報した倉敷市の女性が現場の映像を送信。水位や乗っていた高齢男性が閉じ込められた状況が分かり、救助活動に役立ったという。一方、スマートフォンの性能から映像が送れなかったり、操作方法が分からなかったりして運用できなかった通報は21件あった。

 同課は「現場の映像から分かる情報は確実で、迅速な初動捜査に大きく影響する。事件、事故の早期解決へ協力をお願いしたい」としている。

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