ウクライナ、一定進軍も雨で減速 ロシアは航空戦力で戦車に打撃

14日、ウクライナ東部ドネツク州の前線近くを走行するウクライナ軍の自走式りゅう弾砲(ロイター=共同)

 【キーウ共同】ウクライナ軍は15日、南・東部の主に3方面で反転攻勢を続けた。14日も一定の進軍を果たしたが、ペースは落ちている。南部戦線は降雨の影響で土地がぬかるみ、戦車などの走行に影響している可能性がある。ロシア軍は航空戦力を駆使し、正面突破を図るウクライナ軍の戦車や装甲車に打撃を与えている。

 ウクライナのマリャル国防次官は14日、航空戦力や砲撃力はロシア軍が優勢だと認め「極めて厳しい戦闘条件下で進軍している」と強調した。

 米シンクタンクの戦争研究所は14日、人工衛星の画像に基づき、南部戦線で反転攻勢を阻むロシア軍のヘリコプターがアゾフ海に面するベルジャンスクの飛行場に配備されていると推定した。5月末に比べて20機増え、計27機になったとした。

 英国防省は14日、ロシア軍が南部戦線で地上部隊を支援するため、航空戦力の出撃を過去2週間で増やしていると指摘した。昨年来、滑空弾など空対地兵器の使用を増やし、攻撃目標から距離を保てるようになったとも分析した。

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