待望の初ゴールも“何か”が足りない上田綺世…元日本代表監督、岡田武史氏の「上田評」が興味深い

エルサルバドルを相手に6-0の大勝を収めた日本代表。

開始早々に相手DFが退場するアクシデントがあったものの、その時点で実質的にスコアは2-0。選手たちは集中を欠くことなくてチャンスを作り続け、豊田スタジアムを埋め尽くしたファンを楽しませた。

その中で、3年後のワールドカップに向け、エースストライカー候補として期待される上田綺世に待望のA代表初ゴールが生まれている。

自身で獲得したPKを落ち着いて沈め、14試合目での初ゴールとなった24歳の点取り屋。チームメイトと喜びを分かち合った後に見せたほっとしたような表情が印象的だった。

ただ、この日は両サイドから良質のクロスがたびたび上田のもとへ届きながら、結果的にゴールはPKの1点のみに終わっている。

ベルギーで今季22ゴールと結果を残しながら、どこか物足りない“いつもの上田綺世”がそこにいた。

フジテレビ系で生中継されたこの試合、ゲストとして出演していた元日本代表監督の岡田武史氏は、そんな上田のプレーについて解説の槙野智章氏とやり取りしながらこのように語っている(前半40分前後)。

岡田「上田綺世は1点取ったんですけど、やっぱりポテンシャルをまだ出し切っていないと思うんですよね。ボールを受ける回数もまだ少ないですし、ヘディングかなり強いんですけど競り合いで勝ったという感じもまだない」

槙野「クロスの入り方どうですか上田は?」

岡田「クロスの入り方はいいと思うんですよね」

槙野「上田にボールが入った時に少しちょっと孤立しているような状況というのがありますよね」

岡田「孤立しているというかね、もっと積極的に受けられるんだけど、受けるという感じがあまりないからパスが出てこないんですよね。やればできるんだけど…。見ていると、ボールが遠くにある時に真ん中をずっと歩いている感じなんですよね。で、自分が裏でもらう時だけ動き出しているような感じがある。もう少し絡んできてもいいのかなと。そう、こういう時に」

槙野「もう少し顔を出して落ちてきたいんですよね」

直後の44分に決まった4点目のシーンでは、持ち前のジャンプ力を生かした“らしいポストプレー”で堂安律のゴールの起点となった上田。

とはいえ惜しい場面はいくつもあっただけに、こういった試合で1点に終わるようではタイトな試合で結果を出すことはこれまで同様難しい。

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より頼りになる日本代表のストライカーとなるべく、さらなる成長を期待したい。

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