バレーU19代表候補に 金沢学院大附高2年・茂手夢選手

U19世界選手権の代表候補に選ばれた茂出夢選手=金沢学院大附高体育館

  ●「すべて吸収したい」 身長182センチ、19日から合宿

 金沢学院大附高女子バレーボール部の茂手夢(もでむ)まりあ選手(2年)が15日までに、U19世界選手権(8月、クロアチア・ハンガリー)の日本代表候補に選ばれた。ナイジェリア人の父と日本人の母を持ち、身長182センチの高さを生かしたプレーが持ち味で昨秋レギュラーの座をつかんだばかり。全国的には無名のアタッカーは「代表候補の中では一番レベルが低いと思う。すべてを吸収したい」と19日からの合宿へ意気込んでいる。

 金沢市高尾台中でバレーボールを始めたが、試合にはほとんど出たことがなかった。体格に恵まれながらも基礎は不十分。高校進学後は当初コートに入らず、大野一朗総監督らの指導の下、3カ月間毎日1万歩をノルマに体作りから始め、トスとレシーブの基礎練習を続け、昨秋から試合に出場するようになった。

 日本協会は「金の卵」を発掘しようと、実績ある選手だけでなく、地元推薦で全国から選手を選考。広瀬優一監督は「荒削りだが、素直な性格でどんどん伸びている」と茂出夢選手を推し、選考の結果を待った。

 学校の廊下で監督から吉報を知らされた。茂出夢選手は「うれしいよりまさかという気持ち。思わず聞き返した」と言い、「母が高いケーキを買って祝ってくれた。両親が喜んでくれたのがうれしかった」と振り返った。

 父シルベスター・モデムさん(47)は身長180センチ、母みつ子さん(46)は165センチ。金沢学院大1年の兄綾蓮(あれん)さんは185センチ超の長身でバスケットボールをしている。

 金沢学院大附は昨年11月の県高校新人大会決勝で21連覇を狙った金沢商に2-1で逆転勝ち。初優勝の立役者となった茂出夢選手は「先生や先輩に頼ってばかりいるが、みんなに頼られる存在になって春高バレー(全国大会)に出場したい」と目標を語る。

 代表選考合宿は19~25日に佐賀県鳥栖市で行われる。茂出夢選手は「たくさん吸収して、金沢に戻ったら練習方法などをみんなに伝えたい」と語った。

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