●地域づくり協、市、金大が依頼 衣料品や食料品4500点
衣料品販売大手しまむら(さいたま市)と生活雑貨ブランド「無印良品」を展開する良品計画(東京)の出張販売が15日、南砺市平地域で行われた。車や運転免許証がない人も近場で買い物を楽しめる支援事業として、平地域づくり協議会と同市、金大が協力を依頼し、両社による出張販売が初めて実現した。市平若者センター春光荘に、多彩な衣料品や食料品計約4500点が並び、住民らが詰め掛けた。
ファッションセンターしまむら福光店と無印良品イオンモールとなみから、従業員が参加した。しまむらは夏物衣料を中心にバッグやパジャマなど約3千点、無印良品は人気のレトルトカレーやスープ、菓子、飲み物といった約1500点を、約2時間販売した。
平地域づくり協議会がタクシー1台を巡回させ、参加希望者を送迎、高齢者らは市営バス、乗用車の乗り合いなどで会場を訪れた。
普段は買い物のため平地域から城端地域まで往復1時間半かけてバスを乗り継ぐという澤田洋子さん(72)=南砺市大島=は「エプロンやブラウス、お菓子を買った。これだけ人が集まることはなく、楽しかった」と話した。
南砺市と金大が包括連携協定に基づき、地域課題の解決を推進する取り組みの一環となった。金大の篠田隆行准教授と学生サポーター6人、南砺平高3年生15人が運営側として参加し、アンケート調査を通じて来場者と触れ合った。
平地域づくり協議会の南田実会長は「車のない人が喜んでいるのをたくさん見た。両社がやってくれるなら、秋冬物への衣替えのタイミングなどでまた実施できるとうれしい」と話した。
●しまむら県内初出張
しまむらの辻口芳輝取締役執行役員によると、同社は2021年冬から全国的に中山間地や病院、介護施設での出張販売に取り組んでおり、富山県内での実施は初めてとなった。
良品計画は会場で、9月1日に砺波市三島町で県内最大売り場面積の店鋪をオープンすることをアピールした。