現実味を帯びる出生数「全国最下位」 データから浮かぶ、秋田の少子化の深刻さ

秋田県の人口が全国で何番目か、ご存じだろうか。国勢調査を基にした人口推計で、2022年10月時点の県人口は約93万人。人口減少が47都道府県で最も速いペースで進むとはいえ、総人口ではいまだ39番目の位置にいる。では、1年間に生まれる赤ちゃんの数は?各種人口指標の中でも取り分けこの数字は、秋田の現状の深刻さを物語る。(デジタル編集部・斉藤賢太郎)

Insight(インサイト)
時系列変化や地域間比較、異なる要素の関係性…。データの詳細な観察は、物事の本質に迫るためのインサイト(洞察)を得るきっかけになります。このシリーズでは、チャートや地図でデータを可視化し、時にプログラミングやGIS(地理情報システム)といった技術も使って、秋田の課題や特徴を深掘りします。

今月上旬に公表された人口動態統計(概数)によると、2022年の秋田県の出生数は3992人。全国では高知(3721人)、鳥取(3752人)に続き、3番目に少なかった。

総人口は高知が約67万6千人、鳥取が約54万4千人。人口規模がこれだけ異なる地域と、出生数で肩を並べつつあるというのが秋田の現状だ。

22年まで10年間の出生数減少率を色分け地図にすると、地域差が浮かび上がる。最も大きいのが秋田の-39%。岩手-37.6%、青森-34.7%と続き北東北がワースト3を占めた。

最も小さいのは東京の-15.2%。地域の出生動向を表す指標としてよく登場する合計特殊出生率(女性1人が生涯に産む子どもの数の推定値)が、47都道府県で最も低いのとは対照的だ。

なぜこのような逆転が生じるのか。

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