日銀、大規模緩和維持を決定 低金利で経済下支え

金融政策決定会合に出席するため、日銀本店に入る植田総裁=16日午前(代表撮影)

 日銀は16日の金融政策決定会合で、金利を極めて低い水準に抑える現行の大規模な金融緩和策の維持を決めた。物価と賃金がそろって安定的に上昇する好循環の実現はまだ見通せないとして、経済を下支えする。長期金利の上限も「0.5%程度」から変えなかった。

 4月に就任した植田和男総裁にとって、金融政策の決定は2回目となった。大規模緩和は短期金利をマイナス0.1%とし、日銀が国債を市場から大量に買い入れて、長期金利を0%程度に誘導することが柱。長期金利は0.5%程度まで上昇することを容認する。

 現行の大規模緩和維持は、黒田東彦氏が総裁を務めていたときから4会合連続。好循環の実現にめどを付け、大規模緩和から脱却することが日銀の課題だ。植田氏が16日午後に記者会見し、政策決定の理由を説明する。

 大規模緩和維持は植田氏や2人の副総裁ら会合に出席した政策委員9人の全員一致で決めた。会合後に公表した文書では、景気の現状判断を「持ち直している」に据え置き、先行きも「緩やかに回復していく」との見通しを維持した。

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