立民・泉健太代表 岸田首相の衆院解散先送りに「総理の火遊び、もてあそび」 衆院選準備加速も自身の〝進退ライン〟は不変

立憲民主党の泉健太代表(48)が16日、国会内での定例会見で、岸田文雄首相(65)が15日に今国会での衆院解散を見送ると表明したことに「国民を混乱させた。総理の火遊び、もてあそび。解散権をもてあそぶ態度は与野党から批判が上がっているし、一国の総理としていただけない。あってはならない姿勢」と述べた。

岸田首相の「今国会での解散は考えていない」との発言を受け、泉氏は「あくまで今国会中ということ。やはり総理には絶大な権限、解散権を握っているという意味では、今国会会期中にはないということが明確に示されたということであり、会期が終わればいつ解散総選挙があるかどうかわからない。改めて気を引き締めて、総選挙に向けて準備を加速していく」とした。

解散時期の判断を先送りした背景について、泉氏は首相の長男・翔太郎氏の首相公邸での忘年会問題や、マイナンバーをめぐるトラブルの続出などを挙げ「いろんなものを振り返れば、実は岸田政権に誇れるものはないんじゃないのか。そういう足元を見つめたってのもあるでしょうし、解散の件を振り回す経緯の中で与党の中からもずいぶん反発があった。公明党との関係も微妙。そこから及び腰になったということじゃないか」と推察した。

岸田首相は、秋の臨時国会で改めて解散するかどうかを判断することになる。泉氏は、次期衆院選で150議席を獲得できなければ代表を辞任する考えを示しているが「私の言ったことに変わりはない」と話し、進退をかけるラインは不変だと強調した。

国会内での党の臨時執行役員会終了後、岸田内閣に対する不信任決議案提出を決めた泉氏は「今の岸田政権の進め方は信任できない。内閣不信任案というのは、1国会で1回しか出せない。その1回の機会を使わないということは意思表示をしないということ。今の岸田政権のさまざまな国民生活を無視した政治というものを考えれば、提出するというのは当然の判断」と話した。内閣不信任決議案は16日の衆院本会議で否決される見通しだ。

(よろず~ニュース・杉田 康人)

© 株式会社神戸新聞社