岸田内閣の不信任決議案を否決 首相、解散戦略練り直し

衆院本会議で内閣不信任決議案が否決され、一礼する岸田首相(前列右)=16日午後

 立憲民主党が提出した岸田内閣不信任決議案は16日の衆院本会議で、自民、公明両党などの反対多数により否決された。岸田文雄首相は今国会中の衆院解散を見送る意向を表明しており、秋以降の解散をにらんで戦略の練り直しを図る。立民の泉健太代表は本会議で、解散を巡る首相の言動を「自治体を混乱させ、政治、経済に影響を与えかねない解散を軽々しく振り回した」と批判した。

 16日はこれに先立ち政府、与党が重視した防衛費増額の財源確保特別措置法やLGBT理解増進法が参院本会議で成立。不信任案の否決により与野党の攻防は事実上終結し、今国会は21日の会期末で閉幕する見通しだ。

 首相は、トラブルが続くマイナンバーのデータを秋までに総点検し、混乱の早期収拾を目指す方針。公明との間では東京都内の選挙協力解消などで傷ついた信頼関係の回復を急ぐ。9月までに内閣改造・自民党役員人事を行って態勢を刷新し、早ければ秋に想定される臨時国会で解散のタイミングを探るとみられる。

衆院本会議で、立憲民主党の泉代表(手前)による内閣不信任決議案の趣旨弁明を聞く岸田首相(奥右)=16日午後

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