広島の213勝右腕、北別府学さんが死去 65歳「もうすぐ父の日だよ、がんばれ‼」

プロ野球・広島で活躍し、通算213勝を挙げたエース右腕、北別府学さんが16日、広島市内の病院で死去した。65歳。2020年1月に広島ホームテレビの番組内で「成人T細胞白血病」であることを公表し、闘病生活を送っていた。同局の公式サイトで発表された。

北別府さんの個人ブログでは、野球界や闘病生活のことに加え、芸能・社会の時事テーマに言及するなど、幅広い視点から発信を続けていた。最近は夫人がブログを代筆することが増え、闘病の重さを物語っていた。最後のブログは今月12日、「もうすぐ父の日だよ、がんばれ‼」のタイトルで、子息が用意した家のリクライニングチェアーに、退院した北別府さんが身を委ねることを期待する夫人によるものだった。

北別府さんは宮崎・都城農から1975年ドラフト1位で広島に入団。新人の76年に初勝利をマーク。多彩な変化球と精密なコントロール、相手の打ち気をそらす投球術を武器に、78年から11年連続2桁勝利を挙げ、79年にはチームトップの17勝で、球団史上初の日本一に貢献した。沢村賞、最多勝を各2回、最優秀防御率を1回獲得した。94年のシーズン限りで現役を引退し、野球評論家活動の他、2001年から4年間、広島の投手コーチも務めた。10年からは沢村賞の選考委員を務め、12年には野球殿堂に競技者表彰のプレーヤー表彰で選出された。

(よろず~ニュース編集部)

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