コールドプレイ初公演に中止圧力 イスラム強硬派「不道徳」

米西部ラスベガスで公演を行ったコールドプレイのボーカル、クリス・マーティンさん=2017年9月(ロイター=共同)

 【ジャカルタ共同】世界最多のイスラム教徒を抱えるインドネシアで、11月に予定される英人気ロックバンド「コールドプレイ」の初公演に、イスラム強硬派が中止圧力を強めている。不道徳と主張し「空港や会場の封鎖も可能だ」と脅迫。約10年前には米人気歌手レディー・ガガさんの公演を中止に追い込んでおり、政府は警戒している。

 ボーカルのクリス・マーティンさんは過去の公演で性の多様性を表す虹色の旗を掲げた。「LGBTを支持するコールドプレイの公演は許さない」。5月、イスラム保守強硬派「212同窓会」幹部が記者団に声を荒らげた。

 イスラム法の国内最高権威である聖職者組織「インドネシア・ウラマ評議会」幹部も「宗教の教えにそぐわない」と懸念を表明した。

 バンドは11月、イスラム教が国教のマレーシアなどを回る予定。ただ、マレーシアでも保守政党幹部による中止要求があり、マーティンさんは同国メディアに「私たちが来ることを喜んでいない人には申し訳ないけれど、私たちはあなたも愛している」と融和を呼びかけた。

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