アーティストimase 「言語の壁を越えて聴いてもらえる曲を作りたい」単独インタビューで明かした海外への思い

昨年夏にentaxのインタビューに登場したソロアーティストimase。22年8月にリリースした『NIGHT DANCER』は日本で多くの若者に支持されるだけでなく、韓国の配信サイトでJ-POP初のTOP20入りを果たし、韓国でもライブを行うなど、グローバルに活躍の場を広げた。そんなimaseに、1年を振り返って感じる率直な思いと、国内2回目の開催となった恵比寿LIQUIDROOM(5月10日)でのワンマンライブの手ごたえについて話を聞いた。

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■バンドメンバーは一流の人たちばかり、それに追いつけるパフォーマンスを目指したい

――entaxで取材させていただくのは1年ぶりですが、この1年を振り返ってみて特に大きな変化を感じたことを教えください。

1年を振り返ると、すごく変わりましたね。自分の音楽性が広がったし、海外の方に聴いていただけるようになったというのも大きな変化です。上京したり、ライブをやり始めたり、新しいチャレンジが増えました。楽曲の作り方も変わりました。

そんな中、さまざまな葛藤もありました。自分の中で、“どのような曲を作ったらいいのかな?”と、すごく迷った時期もありました。

――具体的に、どんなところが変わりましたか?

当時はギターのコードを調べてメロディーを乗せていたのですが、今はメロディーが先になったりと、曲によって作り方を柔軟に変えられようになりました。ありがたいことに色んなタイアップをいただけるようになり、テーマや商品に沿って作ることもあるので、曲の作り方の幅が広がりました。

――ライブをやり始めたのも大きな変化だということですが、先日、恵比寿LIQUIDROOMで行われたライブの感想について伺えますか?

これまでSNS上で聴いてくださっていた方々に直接会えたことが、すごくうれしかったです。前回の渋谷WWWと今回のLIQUIDROOMを比べると、お客さんのタイプが大きく違った印象でした。渋谷WWWの時はライブ慣れしているお客さんが多く、一緒に歌ったりもしましたが、LIQUIDROOMのお客さんは「ライブに行くのは今回が初めて」という方も多くいらっしゃいました。僕自身が、もっとライブのノり方や楽しみ方を伝えるパフォーマンスができたら良かったな、と思いました。

――このライブはimaseさんがこれまでSNSに投稿してきたショート曲のメドレーや、ゲストとしてasmiさん(蔦谷好位置がトラックメイクを行い、楽曲ごとに様々なボーカリストを迎えるプロジェクトKERENMIでimaseとともに参加した)が登場して『boy feat. asmi & imase』を一緒に歌唱したり、さらに新曲『18』、『Nagisa』を披露するなど、スペシャルな内容で行われました。

まずショート曲メドレーは、本当に僕のファンでいてくださっている方だけが知っているものだと思います。しかもリリースする前の曲が多かったので、懐かしさや、その時に作った曲の初々しさをファンの方々と共有できたことがすごく良かったです。

asmiさんとの共演は、これまでステージ上で別のアーティストの方と歌ったことがなかったので、ファンの方々に新しいものを届けられたのではないか、と感じています。また一緒にライブパフォーマンスをやれたらいいな、と思いました。

新曲『18』(4月21日リリースのデジタルシングル)はかなり難しく、バンド演奏もすごく苦労しました。ですが、これまでの楽曲と比べてアッパーでノれる楽曲なので、今後も『18』のようにライブ映えする曲を作っていきたいです。最後に歌った最新曲『Nagisa』でも、みんなと一緒に歌って踊りながら楽しむことができました。

セットリストを通した時に、「こんな曲があったらいいよね」ということも感じたので、今後のライブに向けてそのような曲も作れたらいいなと思いました。

――『18』は、具体的にどういうところが難しいのでしょうか?

テンポが早くメロディアスな楽曲の為、気持ちのよいノリやグルーブを出すのが難しいんです。また、ファルセットと地声の切り替わりが非常に多く、リズムもとても難しい。歌い方も今までで一番癖が強いので、すごく難しい曲だなと思っています。

――今回、バンドメンバーの方との息がすごくぴったりだったな、と感じました。

渋谷WWWの時からずっとお世話になっていますが、本当に一流の方ばかりで。年齢も先輩ですし、自分よりもライブに圧倒的に慣れてらっしゃる方々なので、練習中もいろいろ教えていただきました。本当に頼れる方々です。自分も追いつけるように、パフォーマンスをしっかり頑張らなくては、と思っています。

■ファミリー感、多幸感を伝えられるライブを作りたい

――今回のライブでは、フロアにマイクを向けたり、後ろの人まで目線を送ったりと、会場全体を巻き込むように工夫をされていました。あのパフォーマンスは、どうやって磨かれていったのでしょうか?

僕は昨年までライブ自体を一度も見たことがなかったので、できる限りたくさんのライブを見に行ったりしました。自分の曲やキャラに合ったパフォーマンス、そしてMCを、もっと模索していければと思います。

――国内のライブは2回目ということで、ご自分のライブスタイルといったものは見えてきたでしょうか?

まだ音楽を始めて経験が浅い分、アットホームなファミリー感というか、みんなと一緒に作っているという雰囲気を感じてもらって、多幸感を伝えるようなライブを作ることができたらいいな、と思っています。

――imaseさんは地声とファルセットを混ぜた発声法が特徴ですが、ライブでパフォーマンスするようになって、改めてご自身の歌唱で気づいた点などがあれば教えください。

ファルセットと地声の切り替え部分で安定感を保つのが難しくて、もっとスキルを上げなくては、と思いました。ハンドマイクで、動きながら歌唱するのがいいのかなと思っているので、安定して声を出し続けるような歌唱力をもっとつけたいな、と痛感しました。

――どうしても最初はファルセットに注目が集まると思いますが、imaseさんの地声は、想像以上に太くて力強く感じました。ご自身の地声に関してはどういう風に分析していますか?

結構太くて、いろいろな成分を含んでいるなと思っています。今はまだ裏声の方が安定していますが、今後は地声のスキルアップを測りたいと思っています。

■言語の壁を越えて聴いてもらえる日本語の曲を作りたい

――現時点で目標にしていることを教えていただけますか?

これからフェスも始まるってくるので、「imaseって、SNSとかで聞いたりするけれど、どんなパフォーマンスをするのかな?」という方が見に来てくださったりすると思うので、そういった方に「imase、ライブいいじゃん」と感じていただけるような圧倒的なパフォーマンスを目指したいな、と思っています。

――活動を行う中で、「こういうアーティストになりたい」という思いも浮かばれたと思いますが、長期的なビジョンもお伺いできますか?

それこそ海外の方にもたくさん聴いていただけているので、もっと言語の壁を越えて聴いてもらえる曲を日本語で作りたいと思っています。音楽を始めたのは20歳を超えてからなので“いつからチャレンジを始めても、いいんだよ”と感じてもらえたら。そういった夢を与えるようなアーティストになりたいな、と思っています。

――imaseさんは海外のアーティストの方ともコラボレーションされていますが、影響を受けた点や今後やっていきたい活動を教えてください。

音に対してのアプローチの仕方が違ったりします。今回BIG Naughtyという韓国のアーティストさんとコラボしたことによって(『NIGHT DANCER(BIG Naughty Remix)』が、5月15日(月)より配信スタートした)日本のファンの方も、各国の聴いてくださったファンの方もすごく盛り上がって、国境をまたいでファンの方同士が一緒に喜び合っているのをSNSで感じてうれしくなりました。

いろいろな国同士で1つの曲を共有して楽しめる、という空間がすごく素敵だと感じたので、今後も韓国のアーティストや、また違う国のアーティストとコラボができたらいいな、と思います。

【imase】
岐阜出身の22歳の新世代男性アーティスト。音楽活動開始わずか1年でTikTokで楽曲をバイラルさせ2021年12月にメジャーデビュー。2022年にはCM主題歌やドラマタイアップにも大抜てきされるなど、今ティーンから絶大なる人気を得ている。「NIGHT DANCER」は韓国配信サイト“Melon”でJ-POP初のTOP20入りを果たし、SpotifyバイラルチャートTOP50に31カ国ランクインするなど世界各国でもバイラル中。2023年3月30日には初の有観客ライブ『POP OVER』は追加公演共にチケットが即完売。今秋に自身初のツアー『imase 1st Live Tour』の開催も決定している。

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