フォークボールの杉下茂さん死去 エースで中日初の日本一に貢献

現役時代の杉下茂さん=1953年5月

 プロ野球投手として「フォークボールの神様」と呼ばれ、中日の初の日本一に貢献した杉下茂(すぎした・しげる)さんが12日、間質性肺炎のため東京都内の病院で死去した。97歳。東京都出身。葬儀・告別式は家族葬で執り行われた。

 太平洋戦争から復員後、社会人野球を経て明治大から1949年に中日入団。当時魔球と呼ばれたフォークボールを駆使して50年から6年連続で20勝以上を挙げた。54年には2度目の32勝で、中日の初のセ・リーグ優勝と日本シリーズ制覇に貢献。最多勝、最優秀防御率など投手タイトルを独占し、最高殊勲選手(現最優秀選手)に選ばれた。同年を含めて沢村賞に3度輝いた。

中日が日本シリーズを制し、最高殊勲選手に選ばれた杉下茂さん=1954年11月、中日球場
2004年10月、中日―西武の日本シリーズ第1戦で始球式を行う杉下茂さん=ナゴヤドーム

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