心温まるパフェと人と物語。移転後話題の「agari」(外苑前)の「アメリカンチェリーのパフェ」 #ふうかとあいす

人々の心を鷲掴みにする、パフェ。きらきらと輝く宝石のようなフルーツに、軽やかに溶けていくクリーム、ひんやりと広がるジェラート、サクサクと砕けるクランブル。スプーンですくいながら味わえば、心がぽかぽかと晴れやかに。

そんな陽だまりのようなパフェを求める皆さんに、ぜひおすすめしたいお店は外苑前のパフェバー「agari」。2023年5月、松陰神社前から移転オープンしました。「Gunn’s」所属のモデル・風歌さん(fuuka_nw)と一緒に、季節のパフェをご紹介します。

雨あがりのように、心が前向きになれる。季節のパフェが楽しめるバー「agari」

地下鉄銀座線の外苑前駅より徒歩7分。大通りから小道へ曲がると、パリの街角に佇むカフェのような、キュートな赤い屋根のお店が見えてきます。ガラス張りの扉から覗く店内は、カウンター席のみの暖かくアットホームな雰囲気。お店は、昼の部と夜の部の二部制ですが、今回はお昼に訪問しました。

店名の「agari」には、「仕事上がりや雨上がりのように、ほっと一息ついたり、帰るころに気持ちが明るくなっている場所になれば」という想いが込められているそう。

お店の扉を空けると、朗らかで明るいスタッフの皆さんの歓迎と、焼き菓子の香ばしく甘い香り。出入口のカウンタースペースには、手作りの焼き菓子がズラリと並びます。クッキーやフロランタンと、見ているだけで心がほっこり落ち着くラインアップ。

店内は白と木目調の淡く優しい色合いで、自然とわが家のようにくつろいでしまう雰囲気。パフェを注文して待つ間、カウンター越しにパフェが組み立てられていく様子は、見ているだけで心躍る時間です。

6月は「アメリカンチェリーのパフェ」。赤い実をついばむ鳥が、異国の地をつなぐ物語

今回ご紹介するのは、6月のパフェ「アメリカンチェリーのパフェ」。夕焼けの海の上を飛ぶ渡り鳥が、赤い木の実を見つけてついばむ。そんな物語が浮かんでくる、まるで絵画のような美しいパフェです。アメリカンチェリーのみずみずしさと、紅茶やレモンの酸味が効いた、夏らしくさっぱりとした味わい。

パフェの登場に、「可愛い♡」と顔がほころぶ風歌さん。スプーンで食べ進めるうちに「味が左右で違う部分がある!面白いです」とびっくり。

実はこのパフェ、グラスの中盤には、アシンメトリーな構成が隠されています。レモングラスと和紅茶のゼリー、無糖生クリーム、アーモンドのクランブルとケーキを敷き詰めた土台の上に、片側はアメリカンテイスト、もう片側は和風テイストの層が。アメリカンテイスト部分には、レモンカスタードクリームにパイ、チェリー。和風テイスト部分には、小豆と白玉、醤油入りのアーモンドチュイルと、異国の地をつなぐような構成に。

agariのパフェを手掛けるのは、“スイーツセラピスト”のジョナサン。「スイーツを通して人を癒す」ことを目標に掲げてパフェづくりに励んでいます。

「2つのアメリカンチェリーと鳥型のクッキーで、“木の実をついばみに来た鳥”の物語をイメージしたんです。鳥は、海外からいろんな植物の種を運んできてくれる存在。グラスの中盤ではアメリカと日本をイメージした層で対比してみたりと、『遠くの場所でも、地球はひとつ』というメッセージを込めました」。

またagariのパフェの魅力は、パーツがひとつひとつ手作りであり、ヴィーガンのものが多いこと。ボリューム満点ながらも、さらりと食べ終わることができます。

「後味が軽やかになるように、砂糖は甜菜糖やきび砂糖を使ったり、できるものはヴィーガンにしています。動物性の味を増やすと、どうしても口の中が重たくなってしまうので」とジョナサン。

「確かにクリームたっぷりなのに、甘さ控えめでさっぱりでした」と、食べ終わった後もほっこり余韻に浸る風歌さん。軽い後味と優しい無添加素材で、身も心もほっと暖かく、幸せな気持ちになれるパフェです。

アメリカのモクテル文化を日本に。自家製ドリンクも粒ぞろい

珈琲とミルクのコントラストが美しい「オレ・グラッセ」(左)

agariにはパフェだけでなく、多彩な種類のドリンクたちも。アメリカ出身の店主・佐野さんが、アメリカの「モクテル」(ノンアルコールカクテル)文化が好きで、お店に取り入れたのだそう。

「アメリカにはいろいろな宗教の方がいて、モクテル文化が進んでいて。お酒が飲めないけれど、何かしらのコミュニティで集って話したいというときに、モクテルを飲むんです。日本にもそんな場があればと思って」

人気の自家製ドリンクシリーズ。自家製コーラもおすすめ

夏のイチオシドリンクは自家製レモネード。国産レモンに甜菜糖、ジンジャー、シナモン、唐辛子、カルダモン、マーガオと数種類のスパイスを使用したキリッと爽やかなお味。ストライプのストローとグラスのレトロな姿にも思わずきゅん。

この記事ではご紹介しきれませんでしたが、今回の移転オープンでは要望の多かったアルコールメニューも追加され、お酒好きの人も楽しめるようにパワーアップしているのだそう。夜限定の「おつまみパフェ」もあるので、合わせて楽しんでみてはいかがでしょうか。

手作りパフェと美味しいドリンクで、ホッと一息

コーラのパフェ(5月限定。販売終了)

季節のパフェはテイクアウトも可能。お酒や珈琲を片手に、お家でゆっくりとくつろぐパフェ時間はいかがでしょうか。お店から離れても、ちょっと気分が上がる粋なことをしてくれるのが、agariというお店。

「とても優しくてアットホームな雰囲気のお店。癒されました」と、取材後に語ってくれた風歌さん。

穏やかな空気感の中で、ゆったりと時間が流れ、ほっこり優しいお味のパフェとドリンクを頂くひととき。「ちょっと疲れたな」という時にこそ、ぜひagariで心の羽休めをしてみてはいかがでしょうか。どんなに雨の日でも晴れ晴れとした気持ちで帰れる、そんな暖かなお店です。

※「アメリカンチェリーのパフェ」は6月限定。予約はInstagramのテーブルチェックから

About Shop
パフェバー agari
東京都渋谷区神宮前3丁目1−25 コーポ外苑サイド 1F
営業時間:14:00~22:00(火曜、金曜、月曜)
12:00~20:00(土日祝)
定休日:水曜、木曜
@parfaitbar_agari

Photo/Ikue Takizawa Hair&Make/Aoi Nagasawa Writing/Nanako Maeda

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