広島カープ 6点差ひっくり返す乱打戦 序盤のビハインドから粘り見せるも…(6月15日 楽天戦)

プロ野球セ・パ交流戦は15日時点で残り4試合。ラストスパートとなった広島カープは一時、6点差をひっくり返す乱打戦となりました。

近年、“鬼門” とされてきた交流戦で、ことしは上位争いに食い込んでいる新井カープ。残り4試合、ラストスパートとなる中、先発のマウンドに上がったのは、コルニエル でした。

先週の日本ハム戦で今シーズン初勝利をつかんだ勢いそのままに2勝目と行きたいところでしたが、立ち上がりから安定しません。2試合連続でホームランを放っている楽天・岡島にタイムリーを浴びるなど、味方のミスも重なり、2回5失点。精彩を欠いたコルニエルは、早くも降板となります。

序盤で6点のリードを許す苦しい展開の中、球場の空気を変えたのは、頼れるベテランでした。4回、満塁のチャンスで新井監督が代打に送ったのは、切り札・松山竜平 。その2球目でした。代打打率4割、得点圏打率3割超え、データ通りの勝負強さを発揮し、2点を返します。

1アウト・ランナー3塁・2塁とチャンスは続き、打順は1番に返って 菊池涼介 。ショートゴロに終わるも、この間にさらに1点を加えて、球場も反撃ムードが高まります。

なおもランナーは3塁。打席には前の試合でサヨナラ勝ちの立役者・野間峻祥 。低めの変化球をセンター前に弾き返しました。6月の月間打率は3割を超え、調子を上げてきた野間の一打で点差は2点に。

こうなると、カープの反撃は止まりません。6回には、この試合3度目の満塁のチャンスで菊池。「後ろに必死につなぐ気持ちでいった」とタイムリーヒット。大歓声の中、これで試合を振り出しへと戻しました。

なおもチャンスは続きます。ランナー2塁・1塁として、新井監督は2塁に代走の曽根海成 、代打に 上本崇司 を送ります。

そして、その上本のファーストスイングでした。「みんなでつないで作ったチャンスだったので必死に食らいついた」と期待に応えるレフト前ヒット。曽根は、2塁から快足を飛ばしてホームに生還します。

新井さい配がずばり的中し、6点差だった試合をついにひっくり返します。

待望のリードを奪ったカープでしたが、その裏には一転、ノーアウト・3塁・1塁のピンチ。犠牲フライで同点になるかと思いきや、ライトの曽根からレーザービーム返球。勝ち越しのホームを踏んだ曽根が、ここでは守備でチームを救います。

しかし、8回でした。勝利の方程式を担う6番手の 島内颯太郎 が、満塁のピンチを招くと、去年、中日からトレード加入の阿部に痛恨のタイムリー。さらに味方のエラーも重なり、再びリードが広がる展開に…。

9回にも7番手の 栗林良吏 が、一発を浴び、7対11でゲームセット。6点差をひっくり返す粘りを見せながらも手痛い黒星を喫したカープ。16日から交流戦最後の3連戦を西武と戦います。

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