リフの惑星 - New EP『EUREKA』をリリース! "自分たちが本当にやりたい音楽とは何か?"、その問いの先で見つけたものとは──

EPのコンセプトは緒方のルーツである“90年代のUKロック”

──まずは2年ぶりのフィジカル・リリースについてお伺いしていきたいんですが、昨年は配信でのリリースがメインだったところ、今回は盤で出そうってなった流れとか経緯はどんな感じだったんですか?

緒方:私は毎週のようにタワレコに通ってCDを漁る学生時代を過ごしたので、CDっていうものに対する思い入れが強くて。サブスク全盛の今の時代にCDを出すって、お金も手間もかかるし、いろいろとハードルはあるんですけど、今回レコーディングするにあたって6曲仕上げられたので、「これはもう盤で出すしかないだろう!」って。そんな感じですかね。

──収録曲はどれくらいの候補の中からの6曲なんですか?

大月:デモも含めたら、12、3曲くらい……?

緒方:それくらいはあったかな。昨年末に出したEP『BOY』は既発曲の再録版だったんで、今回のEP『EUREKA』では絶対新曲を下ろそうっていうことで。一からデモを作って、12曲くらいできた中からどんどん絞り込んでっていう感じでしたけど……。

大月:そんなに余裕があったわけじゃないです(笑)。

緒方:やばい、もうレコーディングだけど曲どうする!? みたいな(笑)。

──わりとギリギリだったんですね(笑)。

緒方:今までは、私がある程度完成した形のデモを打ち込みで作ってからメンバーに共有してたんですけど、今回はすべての編曲を大月が担当してまして。それがもう大きな変化なんですけど。

大月:(緒方から)ギターの弾き語りの状態で送ってもらったデモを自分がパソコンで編曲して、「ここのリズムはこうしよう」とかを固めてからメンバーに投げて、メンバーが各パートのアレンジを詰めていく、って感じで作りましたね。

──曲作りのやり方を変えたのは、バンドの中でどういう変化があったからなんですか?

大月:今までは緒方がデモを持ってきた段階で……なんていうのかな、良くも悪くもアレンジが固まった状態で、メンバーが手を加えづらいというか、意見が入る隙間が少なかったというか。そういうところをちょっと変えて、メンバーの好みとか自由な発想をもっと取り入れられるような作り方をしたいねってなって。「じゃあとりあえず弾き語りで持ってきて、それをみんなでアレンジしていこうよ」っていうのが最初のスタートでしたね。

──なるほど。いい形で進んだというか。

緒方:そうですね、いい形で進んだと思います。後ろ向きな理由で曲作りのやり方を変えたっていうより、前向きに。

大月:挑戦、みたいなね。新しいことをやってみようと。

緒方:今回のEPのコンセプトとして“90年代のUKロック”があって。私のルーツなんですけど、そこに根差した形で曲を作っていこうとしたときに、案外、人に編曲・アレンジを任せたほうが、かえって自分のルーツの純度が高まったというか。

──へぇ……! おもしろいですね。

緒方:そうですね、うまく表現できないんですけど……すごく面白いなと思って。大月はルーツに90年代のUKロックとか、別にないんですよ。そこで、まず、私のルーツになっている20曲くらいをまとめたプレイリストを送りつけて、「これを聴け!」って。

大月:その送りつけられたUKロックのプレイリストを、俺は毎日聴きながら通勤して……ノイローゼになるかと思った(笑)。

緒方:そのおかげで、大月から返ってきたデモは、弾き語りの時点で自分の中にあった「(90年代UKロックに寄せるなら)リードギターはこんな感じかな」っていうイメージをはるかに上回って、めっちゃUKロックになってるっていう(笑)。

──プレイリストによる洗脳が…!(笑)

緒方:楽しかったです、私は(笑)。材料を入れたら好きな料理が出てくるみたいな。

──めっちゃ優秀じゃないですか(笑)。

緒方:そう、優秀なアレンジャーとしての才能が開花しました。編曲に関してはすべて大月が……クレジットもそうでしょ?(※EP『EUREKA』は “All Arrangements by 大月優・リフの惑星”となっている)

──(資料を見ながら)そうですね。

大月:「俺がんばったんだぞ」っていうのがそこに詰まってます(笑)。

緒方:なんならこの話がその一行に詰まってます(笑)。

──大月ファンはこの一行を噛み締めながら見るわけですね…(笑)。

緒方:編曲とかの負担が減った分、作曲に集中できたので、結果的に自分のルーツを色濃く出した曲作りができたってのもあるかと思います。

──私も聴かせていただいて、全体を通して感じたのが、1曲目から最後の曲まで、起承転結がすごくしっかりしてるなと思って。1曲目の「VITORIA」は、すごくサッカーっぽい感じですが。

緒方:そうですね、まんまサッカーです(笑)。「VITORIA」は、“サッカーのスタジアムで歌えるような曲”をコンセプトに書きました。私が元サッカー部で、今もサッカーが好きなんですけど、ヨーロッパのスタジアムではOasisとかThe White Stripesの曲が流れて、みんなで歌うんですよ。その光景に憧れて、いつかそういう曲を作りたいと思ってて。ありがたいことに、ここ最近、ラジオに出演させていただく機会が増えてきて、サッカーの話をすることも何度かあったので、「ちょうどいい機会だし、サッカーの曲書いてみよう」ということで。この曲に関しても、私が「ウォーウォー」って冒頭の部分とコード進行とサビだけ作って、「サッカーっぽくしてくれ!」って大月に投げて(笑)。

自分からは絶対に出てこないような言葉やアイデアによって、音楽性の幅が拡がった

──私も聴きながらスタジアムの画が頭に浮かびました。今からサッカーの試合が始まるぞ、みたいな感じがありつつ、かっこいい感じで進んでいって、最後の「KEEP ON! KEEP ON!」は楽しい感じで終わるっていうのが、すごくおもしろかったんですけど。

緒方:「KEEP ON! KEEP ON!」はいい曲ですね。これ、絶対に今日話しとかないといけないんですけど。

──えっ、はい。(身構える)

緒方:ドラムの松丸が、今回初めて作詞に加わったっていうことで。ちょっと、褒めないと。

──あはははは!(笑)

緒方:「KEEP ON! KEEP ON!」は、私が仮で書いた歌詞を松丸が清書する形で完成した曲なんです。最初はすごく暗い歌詞だったんですよ。まあ私が書く歌詞って全部暗いんですけど。

──いやいや(笑)。

緒方:そこに、松丸から「曲がこのアレンジなら、歌詞ももっとポジティブな内容にしたほうが良い」って提案があって。“負けてるけど、前は向いてる”ってテーマで松丸が書いてきた歌詞がハマって、そのまま採用になりました。4人でコーラスを入れたりしたのもこの曲が初めてなんですけど、総じていい方向へ転がったかなって。今までずっと、「自分がやんなきゃいけない、無理して頑張るのがバンドだ」って思ってたんですけど、4人で取り組んだことによって、曲作りが楽しいものに変わったっていうか。自分からは絶対に出てこないような言葉やアイデアによって音楽性の幅が拡がったっていう点で、私にとって「KEEP ON! KEEP ON!」は、今後にも繋がっていきそうな大きな転換点みたいな曲ですね。

──先行配信で聴いていて、先に出た「STARTING OVER」はリフの惑星っぽい感じのかっこいい曲だなと。でも、「KEEP ON! KEEP ON!」はいい意味でリフの惑星っぽくないなっていうか、明るい感じの曲だなーと思ってて。確かに、歌詞の端々に暗い言葉もあるけど、全体的に前向きな雰囲気になってますよね。

緒方:そうですね。全体として前向きな雰囲気ってところに、松丸の持ち味が出たんじゃないかなって。正直、あんまり他人に歌詞を直されるの好きじゃないんですけど。

──そりゃあそうですよね(笑)。

緒方:でも、今回は「松丸の歌詞、いいじゃん」って思えたし、そう思えたこと自体も自分にとっては新鮮な驚きでした。

──今回、全体を通して“未来”って言葉が、キーワードとして多かったのかなって思ったんですけど、前を向いて、明るい未来へ進んでいこうっていう感じが、最後に詰まってたのかなと。それもあって、全体通しての聴き応えがあって楽しかったです。あと、これは絶対に聞きたかったんですけど、「KEEP ON! KEEP ON!(EP ver)」ってなってるじゃないですか。

大月:ははははは(笑)。

──笑っちゃってる(笑)。これ、何がEPバージョンなんだろうなって、ちゃんと聴き比べたんです。いや、聴き比べるまでもなくなんですけど(笑)。EPバージョンって、最後のあれですか?

大月:はい、スペシャルゲストが(笑)。なんか、元ネタがあって。Oasisの……なんだったっけ?

緒方:「Whatever」かな。みんなで拍手してワッハッハ〜みたいに終わるっていう。

大月:そう、曲はフェードアウトしてるのに、みんながわちゃわちゃしてるのが残ってるみたいな、ああいうのがやりやくて。

緒方:なんか、最後は絶対一人だけ残るようにしたかったんです。デモのときは私の声にしてたんですけど、みんなで歌ってたのに、最後は私だけになるんじゃちょっとつまんないなと。

──それはそれで、なんかさみしい感じになっちゃいますもんね。

緒方:そう、みんないなくなっちゃった、みたいな(笑)。それで、メンバーじゃない人の声を入れたいなってなって。

大月:ちょうどいい人がそこに…(笑)。

──そうだったんですね(笑)。

緒方:で、やってみたものの、先行配信で出すときはちょっとこのふざけいらないなって。

──あはははは!(笑)

緒方:どっちかっていうと、EPバージョンが正規で、シングルではカットしたっていう感じです。

──なるほど、本来の姿がEP盤に(笑)。その最後までの流れまで含めて、すごくおもしろかったなって。

緒方:楽しかったですね。いつもレコーディングは楽しいんですけど、今回は特に楽しかったです。いい意味でふざけてるっていうか……。

大月:なんか、遊び心みたいな。それこそ、「KEEP ON! KEEP ON!」とか、さっき触れていただいた「VITORIA」なんかもね。

緒方:「ウォーウォー」って歌ってるところも、メンバー4人のコーラスで何十人分も重ね録りしてて。

大月:ハンドクラップとかもね、自分たちで。『ボヘミアンラプソディー』みたいな感じのをやってみたかったんですよね。ああいう曲があると、ライブでお客さんと一緒に楽しめるかなっていうのもあって。

緒方:「VITORIA」って曲名自体も、私が大好きな柏レイソルのチームのスローガンで……(笑)。やってみたかったことをやったり、自分が好きなものを隠さずに出したりっていう。

──好きと楽しいが詰め込まれたEPなんですね。

緒方:ほんとにそんな感じです。バンドとしての風通しの良さとか楽しさが、聴いてくれる人たちにも伝わればいいなと。今まではどこか……自分たち4人の中で完結してる感じがあったんですけど、これからは聴いてくれる人やライブのお客さんをもっと巻き込んで、一緒に盛り上がっていこうって。お客さんに手拍子とか声出しとかしてもらえたら嬉しいな……とか、そういうのもイメージしながら曲作りができて。

──そうですね。私も外側からというか、フロアから何度もライブを見させてもらってて、4人で完成してるステージなんだけど、お客さんがそれを見ながら盛り上がって、そこに一体感が生まれてるのがすごくかっこいいなって思ってました。今回の新しい曲をライブでやって、お客さんがどんな感じになるのかなっていうのが、すごく楽しみです。

緒方:楽しみですね、それはほんとに。まだライブで披露していない曲もあるので、これからも楽しみです。

Flowers Loftには100%のパフォーマンスをできる環境が整っている

──そんな中、次回のライブは7月4日、下北沢Flowers Loftなんですが。

緒方:昨年まで毎月のように出てたFlowers Loftですけど、ちょっと久しぶりですね。

──4カ月ぶりですかね。前回は3月に自主企画で。

緒方:インパクト弱いっすね、4カ月だと(笑)。わりと出てんじゃんって(笑)。

──そのわりと多い中で(笑)、改めてFlowers Loftの印象ってどうですか? 緒方さんには以前にもインタビューで答えてもらったりしたんですけど、ワンマンライブをやって、自主企画イベントもやって、多分いろんなバンドの中でもFlowers Loftへの出演経験が多いほうだと思うので、印象が変わったこととか、改めて気づいたこととかありますか?

緒方:そうですね……バンドマン的には、“Loft”っていう名前に対する畏れみたいなものがあって。

──(苦笑)

緒方:初めてのFlowers Loftは友達のライブを観に来たときで、めちゃめちゃきれいだし、おしゃれだし、敷居高いなって感じだったんです。自分の来るべき場所じゃないな、みたいな。でも何度も出演していくにつれて、自分の家、とまではいかないですけど、落ち着く空間になっていって。

大月:すごくリラックスしてるよね。

緒方:楽屋にいても、ステージに立っていても、お客さんとして他のバンドを見ていても、打ち上げで酒を飲んでいても、居心地の良い場所になってきたかなと。

大月:うん。だからいいパフォーマンスが出せるんじゃないですかね。

緒方:そうですね。(マネージャーさんから「音響さん照明さんもね」との声があり)それはそうっすね、すみません、それを言わなきゃ!

──ありがとうございます(笑)。

緒方:別に社交辞令とかじゃなくて、ほんとにクオリティが高い。お客さんからしたら、ステージの中音の話とかされても知らんわって感じだと思うんですけど(笑)。

大月:でもやりやすいんだよね(笑)。

緒方:そう、やりやすいんですよ。そこはやっぱり、ライブハウスによって差があるところで、中でもFlowers Loftはすごくやりやすい、よね?

大月:うん。

緒方:100%のパフォーマンスができる環境が整ってると思います。

──演者によく聴こえてこそ、お客さんにもいい音が届けられるわけですしね。

緒方:そうですね。それはほんとに思います。ベテランのミュージシャンの方々も出演しているっていうことは、そういうことなんだろうなと思います。それこそ『Hello, my friend』ってイベントを主催したときに、お笑い芸人の方たちにも出演してもらったんですけど、芸人の皆さんもびっくりするくらい、きれいでやりやすいって評判でした。音楽イベントとかでバンドと一緒になったりすると、やりづらさを感じたりすることもあるそうなんですけど、そんなこともなかったって。

──そういえば、衣装チェンジされたんですよね。

緒方:そうですね。今まではスーツでライブしてたんですけど、バンドとして90年代UKロックを標榜していくにあたって、今回衣装をガラッと変えてみようって。バンド史上初めてスタイリストの方を呼んで、「90年代UKファッションっぽく」ってお願いしました。私は普段の服装に近いんで気に入ってるんですけど……どうですか?

大月:どうですかね……暑いっす。

緒方:なんかもっといいこと言えよ!(笑)

大月:ライブ中、暑いんです(笑)。スーツもそうだったんですけど、ほんとは半袖がいい……(笑)。

緒方:でもいいじゃん、90年代UK感出てるし。

大月:イングランド代表とマンチェスターシティのジャージだもんね。衣装でも自分たちの好きなものを表現しようって感じですね。

──スーツはあれですよね、ミッシェルの…。

緒方:そう、スーツは、私がTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTが好きだからっていうだけだったんで(笑)。

──特にバンドの方向性に合わせてってことではなかったんですよね(笑)。

緒方:そうですね、メンバーからは暑いだの肩を動かしづらいだの言われたりしたんですけど、「ミッシェルはスーツだから!」っていうので押し切って。なので、毎回私の好きなものに振り回されてるメンバーには申し訳なさを感じてます……(笑)。

──でも、今回は音楽とも合わせて、スタイリストさんもついて(笑)、「リフの惑星、なんかガラッと変わるんじゃないかな」っていうのがアーティスト写真からも感じられてたんで。7月4日、私は久々にライブを見られるので楽しみです。

緒方:新曲もお見せできるんじゃないかと。

大月:盤が出たあとだもんね。

──物販で買っていってももらえますしね。「CDがあります!」って。

緒方:そうですね。今回、アートワークとかもこだわって作ってるんで、その辺りも実際にCDを手にとって楽しんでいただけたらなと。

──歌詞カードを見るのも楽しいんですよね。

緒方:そう! 歌詞カードもかなりこだわってるんで。

バンドにとって、今、非常に良い流れが来ている

──ワンマンライブの話も聞いていきたいんですけど。ワンマンライブ自体は、10カ月ぶりということで。

緒方:10カ月ぶり……これもなんとも言えないですね(笑)。

──あはは(笑)。

緒方:ワンマンはやっぱり、自分たちのすべてを出し切る、バンドマンにとってすごく重要なライブで。今回は前回と違って、新曲のリリースを記念するワンマンになるので、新しい自分たちを見てもらえるライブってことで、新しい自分たちを100%表現できるのが今から楽しみですね。

──イベントタイトルの『SUMMER OF LOVE』にはどういう由来があるんですか?

緒方:『SUMMER OF LOVE』は……。

──ユーミンじゃない、と思ったんです。

緒方:そうなんですよ!(笑)

大月:いつもユーミンだからね(笑)。ユーミンでいくかとも思ったんだけど。

緒方:『真夏の夜の夢』も考えてたんですけど(笑)。私のルーツにはUKロック、特にOasisがあるんですけど、それと同時に、The Stone Rosesってバンドからも影響を受けていて。そのバンドを代表とする“マッドチェスター”ってムーヴメントが起きてく中で、“セカンド・サマー・オブ・ラブ”っていう現象があって(※注釈①)。そこから拝借したっていう流れと、今回収録されてる「STORYWRITER」っていう曲なんですけど、仮のタイトルが“エウレカ”で。

──EPのタイトルの、ですか?

緒方:そう、EPのタイトルにもなってる“エウレカ”っていうのが、今回重要なワードで。古代ギリシャ語で「気づいた!」とか「見つけた!」とかって意味なんですけど、「自分たちのことを再発見する」みたいなのが今回のEPのコンセプトにあって、そういう中で松丸が出してきた言葉で。いろんな読み方があって。ユリーカとかユーリカとかエウレカとか。で、『交響詩篇エウレカセブン』っていうアニメで、“サマー・オブ・ラブ”っていうのがあるんでしょ?

大月:見てないのか(笑)。『交響詩篇エウレカセブン』っていうアニメが、音楽用語をキャラの名前とかロボットの名前とかに使ってて。ニルヴァーナとか出てきたりするんですよ。そのアニメの中の大きな事件として、“サマー・オブ・ラブ”っていうのもあって(※注釈②)。EPタイトルも“エウレカ”だし、ワンマンの時期も夏だし、今回のEPのコンセプトになってるUKロックにも絡むし、“サマー・オブ・ラブ”、ちょうどいいじゃん、ってことでつけさせてもらったタイトルです。

緒方:ちょっとこれ、上手くまとめるの難しいかもしれないですけど(笑)。

──がんばります(笑)。でも、今回のEPがあってこそのワンマンっていう、繋がっている感じがその話の中からよく分かって、なるほどなって思いました。気づいたんですけど、コロナ禍が落ち着いてから、初めてのワンマンってことになるんですよね。

緒方:そうですね、前回はまだマスクもしてて、声出しはできなかったので、今回はお客さんにも一緒に歌ってもらったりとか。

大月:ぜひ声出ししてほしいですね、声出しできる曲がたくさんあるんで。

緒方:そうですね、今回の曲は全部そういう曲になって……全部は言い過ぎか。

大月:全部ではないな(笑)。

緒方:すぐ盛っちゃうんで(笑)。でも、みんなで歌えるような曲っていうのは増えてるんで。

──そうですね。だからこそ、いいタイミングでのワンマンライブになるのかなって。

緒方:なんか、うれしいです。曲作ってレコーディングして、それをライブでやるのが楽しみって思えてることが。バンドにとって、今、非常にいい流れが来てるというか。

──ライブハウスに来るお客さんも、少しずつ緩和されてはいてもまだちょっと行くの怖いなって人が多かった中で、ようやく人が戻ってきたなって感じがするので、たくさんの人に見てもらいたいですね。

緒方:リフの惑星を“どっかで見た・聞いたことあるな”くらいの人も、ぜひライブハウスに足を運んで、7月4日のFlowes Loftでのライブや、7月21日の渋谷La.mamaでのワンマンライブを目撃してもらえたらなと。今の、最新のリフの惑星を見てもらいたいですね。今のリフの惑星が見られるのも今しかないと思うんで。

──そうですよね、来年とかになったら、きっとまた何かが変わっていっちゃうと思いますし。

緒方:そう、やっぱり変わっていっちゃうんですよね、変わんなくていいやと思ってても。だからやっぱりリフの惑星の今を、ぜひ目撃してもらいたいなと思ってます!

【注釈①】 “セカンド・サマー・オブ・ラブ”は、1980年代後半にイギリスで起きたダンス・ミュージックのムーヴメント。当時のロックシーンにも影響を与え、マンチェスターにおける“マッドチェスター・ムーヴメント”を引き起こす一因となった。マッドチェスターは都市“マンチェスター”と“マッド(Mad)”からなる造語で、ダンサブルなビートとサイケデリックなサウンドを特徴とするロックのスタイルを指す。緒方の傾倒するThe Stone Rosesなどがその代表的なミュージシャン。

【注釈②】 テレビアニメ『交響詩編エウレカセブン』はSFロボットアニメ。“ニルヴァーシュ”というメカが登場する。“サマー・オブ・ラブ”はこの世界で起こった大災害の名前で、その再来は“セカンド・サマー・オブ・ラブ”と呼ばれている。ちなみに、通称“リフ”と呼ばれるスポーツもあるらしい。

© 有限会社ルーフトップ