記録を塗り替えたファウラーとシャウフェレ「ただの初日」「素晴らしい一日」

ともに大会最少ストロークを1打更新する「62」をマークしたファウラー(左)とシャウフェレ(Keyur Khamar/Getty Images)

◇メジャー第3戦◇全米オープン 初日(15日)◇ロサンゼルスCC(カリフォルニア州)◇7423yd(パー70)

123回目を迎えた「全米オープン」初日は、1973年大会でジョニー・ミラーが記録してから長く立ちはだかってきた「63」の壁を、一度に2人が乗り越える歴史的な日となった。

午前組で出たリッキー・ファウラーとザンダー・シャウフェレが「62」をマークし、18ホールの大会最少ストローク数を1打更新。念願のメジャー初タイトルに向けて、8アンダー首位タイで飛び出した。

世界ランキング6位のシャウフェレは好発進の要因として「オールラウンドなパフォーマンス」と話す。出だしの10番をバーディ発進とすると、12番では3m弱のチャンスを決め、14番(パー5)で3つ目のバーディを奪取。難度の高いバックナインでスコアを伸ばし、生まれた勢いはフロントナインに入り拍車がかかった。

「アイアンは本当にナイスショット。長いパットもよく決まってくれた」。折り返した1番(パー5)の3打目はピン左奥5mにつき、バーディパットはカップを時計回りにクルリと回ってカップイン。その後も4つのバーディを重ねた。「文字通り、良いスタートではあると思うけど、ただの初日。プレーすることが僕の仕事なので、あまり考えないようにしている」。騒がしい外野をよそに、冷静な口調で淡々と振り返った。

一方で、2019年1月「WMフェニックスオープン」以来勝利が遠ざかっているファウラーは、ビッグスコアに「素晴らしい一日。いいスタートを切ることができた。USGA(主催の全米ゴルフ協会)は少し悔しがっているかな」と誇らしげな表情を見せた。世界ランキング45位につける34歳は、昨年末の100位台から着々と順位を上げて復調の途中にいる。

「とにかく長くて、厳しい道のりだった」とこれまでの日々を振り返るファウラー。3勝を挙げた15年、6試合連続トップ10を果たした14年。絶好調だった当時のような状態が徐々に戻ってきているという。その背景には、22年9月に再タッグを組んだブッチ・ハーモン氏の存在がある。「スイングとはまたちょっと違うけど、人生のコーチでもある」。物事をシンプルに捉えるように思い直し、この日も自身の順位は「見ていなかった」という。

シャウフェレはサンディエゴ、ファウラーはアナハイムと、両者ともにカリフォルニア州出身だ。ホーム開催の大舞台で、まずは地元ファンを大いに沸かせてみせた。(カリフォルニア州ロサンゼルス/石井操)

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