小田川バイパス 10月末にも通水 氾濫防止へ 国交省が事業進捗説明

小田川付け替え事業の南山掘削現場で進捗状況を説明する国土交通省の職員

 2018年の西日本豪雨で甚大な被害を受けた倉敷市真備町地区を流れる小田川と高梁川との合流地点を下流に付け替える事業で、10月末にも新設の小田川バイパスへの通水を始める見通しとなった。国土交通省が16日、現地で開いた進捗(しんちょく)説明会で明らかにした。

 事業は柳井原貯水池(同市船穂町)を新たな小田川バイパス(長さ約3.4キロ)として利用し、高梁川への合流地点を現在地から約4.6キロ下流に移す。小田川から水が流れ込みにくくなる「バックウオーター現象」の影響を抑えて氾濫を防ぐ狙いだ。

 国交省高梁川・小田川緊急治水対策河川事務所によると、10月下旬以降、新設するバイパスに徐々に流入させるとともに、現在の合流地点を仕切って分離する堤防の建設を進める。この築堤が事業全体の最終工程となる。

 付け替え事業は豪雨後の19年6月に着工し、進捗率は81%(今月15日時点)。最も大がかりな南山(標高67メートル)の掘削工事は21日に完了する見込み。

 16日の進捗説明会は報道陣向けに行い、南山の掘削現場をはじめ、柳井原貯水池、下流に設ける新たな合流地点の3カ所を公開した。

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